9月のヨーロッパ旅行─その1─(2003年9月25日)
出張勝也(でばり・かつや)
株式会社オデッセイ コミュニケーションズ代表取締役社長
この原稿は、ヨーロッパからの帰りの飛行機の中で書いています。
9月11日から一週間、イギリスのストラットフォード・アポン・エイヴォン(Stratford-Upon-Avon)と、フランスのパリに行ってきました。9月11日と言えば、ちょうど2年前に、ニューヨークでテロ事件が発生した日です。このようなテロ事件の場合にも、2周年というのを英語では、“two year anniversary”と言っています。“anniversary”という言葉は楽しかったことだけを言うのではなくて、このような悲しい出来事に関しても使うわけですね(僕なんか、“anniversary”という言葉からは、ユーミンの歌を思い出してしまいます)。
Digital Literacyについて話し合う
さて、テロ事件の2周年ではありましたが、無事、成田からロンドンに着くことができました。今回の旅行は、ストラットフォードで取引先が主催するDigital Literacyに関する会議に、社員のYさんと、ある高校でITの教員をしているK先生を連れての参加でした。
会議には、アメリカやイギリス、シンガポールやギリシャなどから、IT教育の専門家たち十数名が集まりました。インターネットやコンピュータの使い方に関するDigital Literacyについて話し合うという会議ですから、日本におけるDigital Literacy教育に関係している僕の会社としては、見逃せない会議でした。
会議は1日半のスケジュールで行われました。インターネットやコンピュータの使い方をどのように教えていくのかということに関して、まだ統一的な見解はどの国においても確立されていないということ、企業で必要とされるITスキルが教育機関におけるカリキュラムに大きな影響を持つこと、そのような中で何を最大公約数的なITスキルの指標としていけばいいのか、というようなことを話し合うことができました。
指標という面では、日本においては僕の会社が代表しているIC3(INTERNET & COMPUTING CORE CERTIFICATION)という世界的な資格試験がひとつの基準になりうるのではないかと思っています。この試験は、インターネットとコンピュータの利用者として社会で活躍していくために必要となる知識やスキルを対象としたもので、今回の会議も実はこの試験を、Digital Literacyの世界的な統一基準として検討するためのものでした。この会議で討議されたことに関しては、後ほど詳細なレポートがあがってきますので、IC3のホームページでもその内容を発表することにします(IC3に関しては、http://ic3.odyssey-com.co.jpをご覧ください)。
さて、会議の前日には、ストラットフォードの市長を招いてカクテルパーティーがありました。その席で、市長から聞いたのですが、市の最大の産業は観光で、日本からの観光客が最も多いということでした。ストラットフォードと言えば、シェイクスピアの「生地」であり、「聖地」ですが、われわれ同胞がシェイクスピアを大切に思っていることを改めて認識しました。
難解! シェイクスピア劇
最後の夜(と言っても二日目ですが)、せっかくここまで来たのだからということで、Yさん、K先生と一緒に、ロイヤル・シェイクスピア劇場に、「タイタス」を見に行きました。普段映画を見ていてもそうですが、シェイクスピア劇になると、英語力のなさをますます痛感させられました。
劇は7時半から始まり、途中20分程度の休憩を挟んで11時近くまであり、この間ずっとちんぷんかんぷんの状況でした。パンフレットを読みましたので、あら筋はわかっていましたが、一つひとつのせりふを聞き取っていくことの難しいこと! 普段、『Financial Times』や『Wall Street Journal』など仕事に関係する文章ばかり読んでいる「ツケ」が来ました。
イギリス文学と言えば、僕にとってはブロンテ姉妹が一番興味ある存在です。Yさんが持ってきていたガイドブックを見ていたら、ブロンテ姉妹の生地の紹介がでていましたが、こちらは、ロンドンから日帰りというわけにはいきそうもない、ヨークシャーですが、「嵐が丘」の舞台を訪ねてみたいというのが長年の希望のひとつです。
シェイクスピア劇の英語は難解でしたが、天気にも恵まれたわれわれにとって、ストラットフォードは親しみやすくて、とても美しい町でした。二日間、早朝の運河沿いでジョギングを気持ちよく行いました。ロンドンからも電車で2時間半程度の距離ですから、無理をすれば日帰りもできます。シェイクスピアに関心がある人もない人も、一度訪ねてみて損のない場所ですよ。
次回は、ストラットフォードの後に2泊したパリに関して書きます。