「話題の広告クリエイターに学ぶ「大事なメッセージを伝える方法」」
(マエキタミヤコ/寄藤文平/嶋浩一郎※)※ファシリテーター
講師に、環境NGOのための広告メディアクリエイティブ サステナ代表のマエキタミヤコさん、東京メトロ「TOKYO HEART」「家でやろう。」などを手がけたアートディレクター 文平銀座代表の寄藤文平さんを迎えた「大事なメッセージを伝える方法」の分科会。ファシリテーターは、2004年に本屋大賞を立ち上げた、株式会社博報堂ケトル代表の嶋浩一郎さんです。
まずは嶋さんから、3人の簡単なご紹介。前方スクリーンに、様々な作品が映し出されます。いいプランナーとはどんな人? 新しい発想はどこからくるのか? 面白い作品が続き、会場は最初からぐっと引き込まれていきます。
嶋さんは、「本屋大賞」をつくりあげるまでのプロセスから、1つの広告が完成するのに、たくさんの方の協力や熱い想いがつながっていることを、わかりやすい図で説明。メディアでも大きく取り上げられるこの賞について、そうだったんだ!と驚くような舞台裏が語られます。メッセージを届けたい人にだけ届ける新しい手法、お金がなくてもアイディア一つでコミュニケーションできる事例に、マエキタさんからも「それは最高ですね」と絶賛の声。会場からも大きな笑いと拍手がおこりました。
エコライフマガジン「エココロ」の編集主幹でもあるマエキタさん。ソーシャルなテーマを、デザインや仕掛けによって、きれいでおしゃれで楽しく見せることにチャレンジし、それが成功している作品をご紹介くださいました。「少しずつでもいいから周囲を動かしていくこと」をベースに今も進行中のプロジェクトは、チャーミングな方法で環境問題を考えさせるものばかり。クリエイティブの力を感じさせます。環境問題にとどまらず、今後取り組んでいきたいテーマもお話いただきました。
その独特のイラストが、幅広い世代で共感を得ている寄藤文平さん。ご自身の作品を解説したり書籍を紹介するだけで、会場は大爆笑。「“編集力”を大事にし、日常の些細なことを記憶。引き出しをたくさん積み上げて、時々引き出しをあけて情報の整理をしている」のだそう。優しさがにじみ出る作品に、その優しさも、メッセージを伝えるためには必要な要素であると、嶋さんがまとめました。会場からは寄藤さんへ「マナー広告をおしつけがましくしないための工夫」について質問がありました。
最後に3名の講師から「第14回国際女性ビジネス会議」のテーマでもある
「 Act Outside the box〜新しい発想で挑戦しよう」に基づき、日々新しい発想を生むためにしているユニークな方法をご紹介いただき、分科会は終了。盛り上がりすぎてあっという間に終了となったこのセッション、時刻を過ぎても、熱くて楽しいトークが繰り広げられ、次々に登場する事例に、ひと時も目を離すことができない時間となりました。
【リポーターからのリポート】
- ■ 相手を巻き込むことが大切(シロ子さん)
始めに、クリエイターの皆さんの事例をお聞きして、既成概念を超えたおもしろい発想に驚かされました。私は以前から社内でコミュニケーションを担当していますが、これまでの方法では伝えたいことがうまく浸透せず、悩んでいました。この分科会に参加してヒントを見つけることができました。「もっとも効くツボをおす」、「バカなんじゃないと思わせる」、「人を動かす」、一見メッセージを伝えることとは直接関係ないようなワードですが、伝える相手に興味を抱かせ、考えさせ、行動を起こさせる……なるほど、これだ!と思いました。私自身、この分科会に興味を持って、足を運んだのですから、罠にはまったわけです。これまでは一方的にメッセージを出して、伝えたつもりになっていましたし、逆になぜその情報を知らないの?と相手のせいにしていました。深く反省しています。結局は相手が興味を持てなかったということですよね。とは言っても、そう簡単にアイデアは浮かんできません。裸足で歩いてみる、いろんなことに興味を持ってたずねてみる、表現を何かに例えて置き換えてみる、まずは感性磨きから! 小さなことから実践していこうと思います。
- ■ そぎ落とすと見えてくる「伝える」パワー (福一由紀さん)
「伝え方」をいつも考えている私にとって、新聞広告やテレビコマーシャルはとても良いお手本。今回はどのようにして、あの「伝える」パワーが出てくるのかが知りたくて(探りたくて)参加しました。この答えはたくさんありましたが、特に印象に残ったのは「観察力」「そぎおとす」「逆転の発想」の3点でした。寄藤さんの見えるものは全て何かにたとえ、アイデアの引き出しを充実させていく「観察力」。嶋さんの伝えたい人だけにダイレクトに確実に伝えるために「そぎ落とす」こと。マエキタさんの広告費が無い中でもできることを考え抜いて成功に導く「逆転の発想」。今までは「アイデアがすごい」としか思えなかった広告や企画も、その裏にはアイデアだけではなく、目に見えない地道な努力の積み重ねがあることを知りました。ちょうど、私自身も新しいサービスを企画しており、アイデアばかりを求めていたことを反省。拡散しているサービス内容をそぎ落とし、ちょっとしたこともできることから始めていけばいいと気がつきました。伝え方への迷いが出た時は、講師の方々のメッセージに対する熱い情熱を思い出して、前進したいと思います。
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