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西 樹さん
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長く見守っていきたい街だから
- 佐々木
「シブ経」は取材スタッフがいるんですよね?
- 西
これはライターのネットワークを作って、そこで書いてもらっています。写真も撮ってもらって。
サイトを開設して、もう2年半経ってますから、プレスリリースをいろんなところからいただけるようになって、わりと事前の情報を入手できるようにもなっています。それを組み立てていくという考え方ですね。
- 佐々木
本も出版されましたよね。
- 西
そうですね。1年半分のことをまとめて。でもやはり大きいのはJ-WAVEとの連携です。1週間に1回、J-WAVEと連動しているよさは、さぼれないことですね。何があっても放送があるんで、1週間に1回は特集をやんなきゃいけないと。でもその半ば義務感みたいなものが、ここまで続けてこれた一つのベースでもあるので、J-WAVEとタイアップできたことにはすごく感謝しています。
- 佐々木
「1日遅れます、ごめんなさい」みたいなことができませんものね(笑)。
- 西
毎週この水曜木曜っていうのは夏休みの終わりの日みたいな感じで、バタバタ動くんですよね(笑)。それで金曜にはオンエアがあって、ホッとしたのも束の間、次の日にはもう取材が始まる、みたいな(笑)。僕ら自身もこれ、このことによって鍛えられてきたというのがすごくありますよね。
- 佐々木
ウイークリーはつらいですよね。でも、しゃべるのはうまくなられたんじゃないですか?
- 西
いや、しゃべりは変わらないですけどね。僕は解説役だから、ナビゲーターがはじけて、僕は押さえ気味に解説をやる(笑)。僕もはじけたらなんだかわからなくなる(笑)。だけどおもしろい。
さっきの話に戻るとですね、広域渋谷圏というのをいかに多面的に見ていけるかということの、僕ら自身のトレーニングでもあるんですね。全部で150 本ぐらい特集があるんですけれど、150通りの切り口でシブヤを見てきてるということで。こういうふうにやっていくと、コンテンツの深さが改めてわかる。どんな切り口で切っても、たとえば個性的な本屋さんで切ってもそれなりに数があったり。
渋谷って人がつくっている街だと最近すごく思うんですよ。「丸ビル」ができて、「カレッタ汐留」ができて、「六本木ヒルズ」ができて、全部ベースとしては更地にした場所に巨大な資本で巨大な建造物を造っていく。そこに人が住む。それはそれで新しい街として魅力があるんですが、渋谷を見ると、「セルリアンタワー」や「マークシティ」はありますが、あんまり大きな動きはないんですね。
- 佐々木
だけど、渋谷の集客力ってあまり落ちてないですよね?
- 西
それは、クリエーターの人が育っていたり、新しい個性的な路面店が出てきたりしているからで、決して大きな動きはないんだけど、それなりにいろいろな人の知恵が集まってコンテンツがあって、そこに魅力がある。
巨大資本ででき上がっている新しい街と、これからどういうふうに闘っていくのかというのは、僕らの大きなテーマなんですね。勝つか負けるか、あるいは共存するのかはわからないけれども、これから長く、こういうことを通じて見守っていきたいなというところなんですよね。
あと、行政が率先してカルチャーを深くできるかというと、これはなかなかできないんですね。民間にある程度活力がないと、カルチャーが深まっていかないところがあって、じゃあ民間の活力をどうやって引き出すかと考えてゆくと、街づくりということにつながっていく。そういうところに、おもしろさがあるんじゃないかなと思う。
地方の方も結構うちのサイトに来てくださるんですけど、渋谷にあるいろんなコンテンツに対する力だとかヒントとか人の知恵をね、「シブ経」からうまく盗んでもらって、地方でももっといろんなことにトライをしてくれることが増えたらいいな、というのも一面では思っていますね。
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