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久米麗子さん
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「個性」は、コピーしたら損でしょう
- 佐々木
お久しぶりです。早速ですが、わたしが『ニュースステーション』のリポーターを始めたころの話なんですが、「髪型、ボブにしたらどうかと思っているんですが」と麗子さんにご相談したら、「楠田枝里子さんと似ちゃうからやめたら?」と言われ、驚いたんです。番組に出たての新人の髪型を有名な方と比較されて。
でも、それ以来、自分らしさを意識するようになってきました。麗子さんは、「個性」をどうスタイリングされるのでしょうか?
- 久米
今「オンリーワン」と言われて、みなそれぞれの個を打ち出していますよね。でも、たとえば真っ黒の集団の中に赤い人がいたら目立つじゃないですか。逆に赤い集団の中に赤い人がいたって目立たない。つまり「個」というのは、黒い集団の中の赤になるのかどうかの問題だと思うんです。
『ニュースステーション』で久米(宏)の衣装のイメージ、時々変えるんですが、そうすると、みなさん同じようになさるじゃない? その時「損なのに」と思うんですよね。
久米の衣装をカジュアルにした理由の一つに、白髪を活かしたファッションというのがあるんです。白髪を活かすスタイリングはどう考えていけばいいのかな。そんな思いでスタイリングしているのに、そうじゃない方たちが同じようにしていると「あれ?」と思います。
シャツを2枚重ねるのも、考えて、実行するまでには、商品を買ってきていろいろ工夫してね。スタジオの温度も考えながら、Tシャツだと袖を切ったりして。
- 佐々木
組み合わせだけじゃなくて、切ったりも?
- 久米
もちろんですよ、アイデアは、手間ひまがかかっているんですよね。
それをまねしていらっしゃるんですが、そこにはコンセプトがないわけです。パーソナリティーのことを考えるときには、コンセプトが必要だと思っているんです。
靖国問題、イラク問題……、どのテーマがトップにくるかと想像しつつね。その時に、『ニュースステーション』だったらどう扱うんだろうか、といつも考えながらスタイリングしますよね。
白髪を活かすためにインナーに赤を入れたいなと思っても、もしトップは誰かが亡くなったというような事故のニュースになりそうならその日はやめます。毎日がモードである必要性はないですから。
- 佐々木
いま、スタイリングはテレビのお仕事が中心ですか?
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