ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第30回 林 文子さん

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ビー・エム・ダブリュー東京株式会社 代表取締役社長
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林 文子さん
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社長という仕事とは
- 佐々木
まずは、林さんが、社長をお受けになった時の気持ちを教えていただきたいんです。当時、BMWでは支店長。女性で支店長というのも、大変な業績だったと思いますが、競合のフォルクスワーゲン社(VW)から突然、社長のオファー。このときの決断、心の揺れ動きというのは?
- 林
BMWというブランドを愛していましたんでね、そこから離れてまったく違うブランドに行くということは気掛かりでした。ただ、マネジメントということでは違う視点がありますよね。
マネジメントとなると、特定の商品を売りたいということだけとは、また違ってくる。トップマネジメントの仕事というのは、きちっとした経営をして、そこにかかわっている社員さんを幸せにすることなんですよ。
ですから、ブランドが違ってもいいだろうと思ったし、BMWで仕事をしているときに、自動車業界で、自分ならこうしたいということがあり過ぎたんですね。
27年間仕事をしている中で、社長職をやったのは5年間ですから、うち22年間は現場でお客さんと接していたわけですよ。ところが、今までのマネジメントの方は、少なくとも現場で這いつくばって営業をやっていた方ばかりじゃないですからね。
自分がマネジメントとしてお引き受けして、現場の痛みを知っている者がマネジメントしたらこうなる、というのをつくってみたいなという思いがあったんです。それに対するチャレンジ、それが決断の原因ですね。
- 佐々木
VWでは、短期間で本当に急成長という、いい成績を上げられましたね。
- 林
そうそうスピード、スピード。
- 佐々木
そしたら今度は、BMWからの誘いが。
- 林
また戻ってきてくれと言われたわけですよね。その決断をなんでできたのかな、と思うと自動車業界の中で女性マネジメントは非常に少ないんですよ。 VWではおかげさまである程度の形はできました。だけどもう一つ違うブランドに、もちろん12年間お世話になったブランドに恩返しするという気もありました。
VWグループはわたしがマネジメントに参画したことで、なるほどね、女性もできるね、いいね、とご理解をいただいたわけです。もう一回違うブランドに行けば、そこでもわかっていただけるじゃないですか? そうすると自動車業界への女性の影響力が、全体に少しでもプラスになると思いました。それに、日本の経済を立て直していくために、微力ではありますが、成功できる会社が一社でも多く生まれればいいと思いましたし。VW東京は、軌道に乗って今も成功し続けていますしね。
- 佐々木
企業の復活、成長は、今度の7月の「国際女性ビジネス会議」でもお話いただくことになるのですが、やはりそれはチームが良くなったからだと思いますか?
- 林
チーム力です。
- 佐々木
VWは、林社長が導かれた成功体験があるだけじゃなく、チーム全体がやる気を持ったから、社長が去られた後も、チームとして成り立っている、と。
- 林
わたしは自分一人の力だとは、まったく思っていないんですよ。そういうふうに言われてしまうけど、全然そうじゃないんです。
考えてみてください、VW入社1年生が社長になったわけでしょ? だから今VWにいた4年半を振り返って何を思うかといったら、もう感謝しかないですよ。だって見ず知らずの女の人が飛び込んできたのに、4年半でちゃんと一人前の社長にしてくださったんですもの。
BMWに戻る勇気を与えてくれたのも、VWの人たちですよ。「やってください」と言われました。「やっぱり社長は自分の行き先を自分で決める人なんだ、としみじみ思いました」なんて言われたんだもの。
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