ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第40回 枝廣淳子さん

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同時通訳者・環境ジャーナリスト・セルフマネジメントコーチ
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枝廣淳子さん
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つい2日前まで、松葉杖でした
- 佐々木
本当にお久しぶりです。枝廣さんのサイトで拝見しましたが、つい先日まで松葉杖ついていらっしゃったとか。
- 枝廣
そうなんですよ。今は無事に歩けるようになったんですが、2日くらい前まではピョンピョン跳ねてました。でもね、面白かったですよ。いい身分なんです。松葉杖って外から見て、怪我をしているとわかるでしょ? だからみんな優しくしてくれる。家の中の家事も夫と子どもがやってくれるし。本当は自分でできることまで、全部やってもらったりして(笑)。
- 佐々木
そうか。わたしも、松葉杖や車椅子の経験があるので、わかります。いい勉強でした。
だから、枝廣さんは環境ジャーナリストでいらっしゃるし、大事に至らない松葉杖生活なら、きっとこの体験を活用してバリアフリーやユニバーサルデザインを更に体験されているんだろうなあ、と思っていました(笑)。
- 枝廣
そうですね。面白い経験をしましたね。たとえば、普段はぜんぜん気にならなかった小さな段差が気になったし、回りの人たちの障害者に対する目とか。ほとんどの人にとって、わたしは透明人間なんだなと思いましたね。
- 佐々木
透明人間?
- 枝廣
ええ。そこに松葉杖をついている人がいるということを、みんな見ないふり、見えないふりをする。これはたぶん悪意ではなくて、見たということを認めると、道を譲るとか、手をさしのべるとか、しなきゃいけないでしょう?
- 佐々木
気がつかないふりをするわけですね。電車の中で、おばあちゃんがいると寝たふりをする人と同じ感覚ですね。
わたしはね、一度は停まっている自転車に足を挟まれて薄利骨折して(笑)、松葉杖をついたんですが、上半身は元気なものですから、美術館に行ったら、「ここは松葉杖禁止です。車椅子に乗ってください」と言われたんです。「えっ?」と思いながらも車椅子で会場に入ると、子どもを連れたお母さんが、「ほら、車椅子の人よ!」って、それは冷たい口調で言うんですね。車椅子だと前のほうで作品を見られるから「車椅子だからってずうずうしく前に居る」って言いたいんだけど、わたしには言えないので、代わりに子どもにむかって言ったんでしょうね。
二度目は、91年に南アフリカで足を銃で撃たれた時です。現地で弾の摘出手術をして、帰国する際に各地で車椅子を使ったのです。イギリスのホテルはさすがに車椅子専用の部屋もあって、部屋の中を一人で車椅子のまま、移動、使用できるんですね。ところが、成田空港に着いたとたん、違う。
税関を通って、迎えの人たちがいるホールに出ると、その中央あたりに線が引いてあって、車椅子を押してくださっていた空港スタッフの方が「すみません、車椅子はここまでです」って言うんですよ! 当時、わたしは『ニュースステーション』のリポーターでしたから、番組としては一大事。お偉方も両親も空港に迎えに来てくれていたので、両脇をかかえてもらって歩きましたが、どういうことだ! イギリスの空港は、タクシーを降りるところまで航空会社の人が迎えに来てくれたのに、ずいぶん違うなあ、と。
- 枝廣
なるほどね。それって、すべてに言えるんじゃないですか? たとえば、日本の病院も、入院させてもらってすみませんとか、ありがとうとか、そういう感じでしか、居られないじゃないですか。患者としてうれしいというサービスはあまりないですよね。
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