投資のための情報には、大きく分けて3種類あります。 一つ目は「生データ」で、昨日今日の株価、過去1カ月の値動きなど、今どうなっているかという生の情報です。これは、インターネットや新聞を見れば、誰にでも取得できます。
次に、「定量分析データ」があります。生のデータだと「株価はいくら」までしか出ませんが、その数値を使って何らかの分析を行うのが定量分析です。定量分析では、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)とか、さまざまな財務指標を使って生のデータに分析を加えます。さらに「テクニカル分析」を使うこともあります。
たとえば、ある業界全体が1カ月で10%上がったのにA社は5%しか上がっていないとすると、A社は業績に問題があるのか、出遅れているだけなのか。テクニカル分析を行って、後から追いかけて上がるものを買うという方法です。
マネックスのサイトにある「銘柄のスクリーニング」も、定量分析の一つです。これは、たとえば、東証一部でPERが30倍以上、売上が10%以上の伸びというふうに、条件を絞って銘柄を探す機能です。業種も絞れます。ここである程度銘柄を絞り込んでおいて、その中で気に入った会社に投資をするというのも一つの方法です。ただし、PER、PBR、配当利回りなどをきちんと理解しておく必要があります。
投資で一番重要なのは「安く買って高く売ること」ですから、自分がインターネットや雑誌の情報を見ていい会社だと思っても、それ以前にみんながいい会社だと知っていたら、その時に買っても割高ですよね。ブームだなと思ってその会社の株を買ったら、すでにブームが株価に折り込まれて高値になっている場合がありますから。
そこで、定量分析を行って、たとえばPERやPBRを業界の平均水準と比較してみるという方法があります。業界の中で、その会社が割高なのか割安なのか、それだけでも調べておけば、投資タイミングについて冷静な判断の参考にできると思います。