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第13回(1) 2006/02/07
中東問題―過激派ハマス躍進の理由は?
【 happykingさん(東京都/会社員/34歳/女性)からのギモン】
パレスチナ問題は、何が原因で、どういう経緯をたどってきたのですか? また、この問題が世界や日本に与える影響も教えてください
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これまで2回の説明で、いわゆる「中東問題」の歴史を概観しましたが、ここへ来て、パレスチナ自治評議会選挙でイスラム過激派の「ハマス」が躍進したことから、中東情勢は一層不透明になってきました。そこで今週は、パレスチナ自治政府の仕組みと、ハマスについて解説しましょう。
国家で言えば大統領と議会がある
中東問題は、1993年の「オスロ合意」で大きな転機を迎えたことは、先週取り上げました。この合意で、ガザ地区とヨルダン川西岸地区で、パレスチナ人の自治が始まりました。
この2つの地区からイスラエル軍が段階的に撤退し、パレスチナ人の自治が始まることになったのです。この自治政府は、将来パレスチナ国家が建設されれば、そのまま正式な政府になるものです。
1996年、オスロ合意にもとづいてパレスチナ人による選挙が行なわれ、パレスチナ自治政府議長にヤセル・アラファトが選ばれました。
自治政府議長は、国家で言えば大統領です。この議長が首相を任命し、首相が内閣を組織して内政を担当します。
一方、国会に当たる自治評議会があって、現在の議席は132です。中選挙区と比例代表で66人ずつを選びます。選ばれた人が、国家で言えば国会議員に当たります。
アラファトは2つの議長職を兼務していた
アラファト議長という言葉を聞いたことがあると思います。が、この「議長」とは、どっちの議長だったのでしょうか。
と言うのも、アラファトは2つの組織の議長だったからです。アラファトは、パレスチナ国家樹立をめざすPLO(パレスチナ解放機構)の議長として、反イスラエルの抵抗運動を指揮してきましたが、自治評議会議長に選ばれたことで、こちらの議長にも就任したのです。この関係は、たとえは悪いですが、小泉純一郎という人物が、自民党総裁であると共に、日本国の総理でもある、というようなものです。
このPLOの中には7つの派閥があって……
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