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前回、気軽に英文の電子メールを送ってみよう、と呼びかけたものの、内容ばかりに神経を使って、思わずタイトル(サブジェクト)を付け忘れた、なんてことはないだろうか。実は、この私もタイトルを付け忘れ、再度タイトルを付けて同じメールを送ったことが、何度かある。タイトルが付いていなかったら、数多くのメールを受け取る人は、まず読んではくれない。開いてさえくれないだろう。
どんな商品でも、商品名で売れ行きが左右されるように、電子メールもタイトル次第でいかようにも変身できる。付け忘れは問題外として、どんなタイトルが気の利いているのだろうか。
ビジネスでの電子メールは必要な情報だけをやり取りしたいものだ。1日何十通、あるいは100通以上メールを受け取るような人にとっては、よけいな情報を送ってくると、どうもペースが乱れるように感じるようだ。そこで、上手に使うことをお薦めするタイトルが、FYI:(ご参考までに)とURGENT:(緊急)である。
前回にも紹介したが、FYI:は忙しい相手に緊急性のない情報を送るときに使おう。逆にURGENT:は、山のようなメールの中から、とにかく先に読んでほしいときに使う。重要な(相手にとって)情報の場合に、よく使われているタイトルだ。
また、quick reminder(ちょっと再確認)、final quick reminder(最終確認)も便利なタイトルだ。quickとは、時間はとらせませんよ、という意味で、reminderは、思い出させること、催促状、といった意味。例えば、セミナーのお申込みは○月○日までにとか、頼んでいる仕事の締切りが、あと3日だけど大丈夫かなと、既に出しているメールにちょっとフォローしたい時には、メールにquick reminderというタイトルを付ければいいだろう。
その後で、最終警告をしたい時は、final quick reminderとする。ただし、final(最終)という単語を付けた以上、本当にその件については最後にしないと、狼が来たということで、今後の仕事がしにくくなるだろうから、要注意。
もう少し気軽に、何の気なしに友達とやり取りをする場合は、helloなどで構わない。先日アメリカに住んでいる留学時代の親友から、久しぶりにメールが送られてきたが、autumn hello(秋のごあいさつ)だった。なかなかやるなあ、と思わずタイトルにひかれ、仕事のメールはさておき、彼女からのメールを真っ先に開けてしまった。こんなタイトルも、なかなかしゃれている。
とにかく、まずはマナーを守って送り、相手にも気持ち良く読んでもらうことが大切だ。タイトルは上手に使い分けてほしい。
この記事は「日経パソコン」1997年10月20日号に掲載されたものです。