ホーム > 第13回 国際女性ビジネス会議リポート > 分科会の様子:Working and Doing Business in Japan as non-Japanese(外国人として日本で働く)
講師には、FEW(Foreign Executive Women)代表のジュリア・マエダさん、ダーボ ン・オーガニック・ジャパン代表取締役社長のホアン・パブロ・カンポスさん、ファシリテーターとしてエコサート・キュー・エー・アイ・ジャパン社長のドナルド・ノーディングさんを迎え、それぞれプロフィールと来日のきっかけ、そして今日までの長期にわたる日本滞在の経緯などを、詳しく教えてくれました。
幼少期から、オーガニックフードを、それとは知らずに食べて育ったノーディングさんは、大学を卒業したばかりのとき、1年だけの予定で英語教師として来日し、そのまま20年の滞在歴。「今年の1月に成人式を迎えましたので、日本社会で僕はもう大人ですね」と冗談を交え話されました。
英語教師の後、Asahi Evening Newsのスタッフ・ライターを経て、食品輸入会社に入社。文字通り、海外とのコミュニケーションのBridgeとなり、オーガニック業界のキャリアをスタートしました。現在は、米国そしてフランスで最大のオーガニック認定機関の日本オフィスの社長として活躍中です。「国や文化、言葉の違いの中で、インターフェイスの架け橋になることが、私には大きな挑戦です。日本語は、今でもまだ勉強中。一番大きな問題だとは、思っていません」と自身の挑戦について、語りました。
「今日は、外国人としてだけでなく、女性として、母親として、おふたりのジェントルマンが話されないことも、話せるのではないかしら?」と、ジュリアさん。大学卒業後、短期滞在のつもりで、東北地方での英会話学校の教師として来日。その後、日本企業から仕事をオファーされ、日本滞在が思ったより長くなったとのこと。日本人と結婚後、しばらくはロンドンで暮らしたが、家族とまた東京に戻ることに。
今は日本にいる外国人女性のネットワーキングコミュ二ティ、FEW代表のほか、コンサルタントとして働き、また母親としても、学校行事やチャリティー、ボランティア活動などに、積極的に参加。忙しい日々の中で「全てを得ようとすると大変なので、自分を見つめ、自分が何を持っていて、何が必要かと、選択するということが大切」と話されました。
カンボスさんは、最初は留学のため来日しましたが、卒業後、外交官として駐日コロンビア大使館に勤務。その間に、オーガニック食品を輸出するダーボン会社の社長と出会い、「問題だらけの国から良い食品を世界中に持っていく」という理念に感動し、日本オフィスを設立。「僕からはこれ以上オーガニックについての話はありません。オーガニックの会議になったら困りますからね」と非常に明るい性格のカンポスさん。
会社を設立した際の、人材選びが一番の問題だったそうです。「会社では日常3ヵ国語で仕事をするし、もともとラテン系の会社なので、日本会社と違い、とてもうるさくて、いつでもハッピー。活発的な、そして比較的混乱しやすい雰囲気の中で、一緒に仕事する人を探すのは大変」。カンポスさんは、ジュリアさん同様、外国人だからこそ日本人に出来ないことが出来るという面がたくさんあると思い、日本を最大のチャンスとして考えてきたと言います。
質疑応答の時間には、アメリカ人男性から「日本で自分のビジネスを始めようとする外国人に対して、どのようなことが一番重要ですか」、イギリス人女性から「これまでどのような失敗が一番大きかったと思いますか。また、その失敗からどのようなことを学びましたか」、また、人事部に在籍という日本人女性から「外国人社員に対する会社のサポートをどのようにすれば良いのかを教えてください」など、会場から多くの質問があげられました。
3人とも、日本へは、修学や、短期就業の1年から2年程度の短い滞在予定でしたが、ジュリアさんは在日10年、カンポスさんは14年、ノーディングさんは20年になります。そんな長期間の中での経験談は、参加者の共感を得るところが大きく、皆さん熱心に耳を傾けていました。
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