ホーム > 第13回 国際女性ビジネス会議リポート > 分科会の様子:ダイバーシティと地域活性化
この文科会では、講師としてジャパンエリアマネジメント代表取締役の西本千尋さん、ワイズスタッフ代表取締役の田澤由利さん、飛騨産業社長の岡田贊三さん、ファシリテーターとして、元ニューズウィーク誌編集主幹で、現フリージャーナリストの藤田正美さんを迎えました。
簡単な自己紹介のあと、岐阜県高山市で家具を製造・販売している岡田さんが、貴重な資源である木材を利用した家具シリーズを発表したが、軌道に乗らず苦労したことなどを、ユーモアを交え話されました。地域で豊富な杉を利用することで、徐々に中央(東京)に認められるようになり、表参道ヒルズに出店するまでに成長。これからも地域の森林保護に力を入れていきたい、と強い意思を持って話されました。
「ここは子育てをするのに良いなと思って」と北海道北見市に拠点を置く理由を語る田澤さん。もうひとつのオフィスが奈良県生駒市にあるのは実家があるから、とライフスタイルと仕事の融合を上手にされている様子を紹介。なぜ東京に会社をつくらないのか、とよく聞かれるという田澤さんは、「ネットオフィス」の概念やその実態を具体的に話されました。
埼玉県川越市で地域に密着したエリアマネジメントを行っている西本さんは、学生のころに地域でスタートしたまちづくりについて話されました。卒業してすぐに会社を設立。企業である以上利益追求が必要だが、地元の人とのコミュニケーションが大事と考え、そのために企業は赤になる場合もあったと話されました。また、「補助金に頼らない地域活性化を」と、行政からの補助金に頼っている現状を変える必要性を力説されました。
ファシリテーターを務めた藤田さんが、自身の北見との縁を含めた自己紹介をした後、「中央官庁がびしっと決めるのと、地方行政が自分たちで決めるのとどちらが良いか?」と問いかけました。そして、自治体という現場にいるわたしたち消費者が、何が必要か、何をやらなくてはいけないのかを、本当に突き詰める必要がある、と想いを話されました。
上記の問いには、岡田さんが「断然地方!」と答えるのに対し、田澤さんが「中央が言ってくれると地方はやりやすい」との答え。また、市役所にお務めの参加者から「魂がある、やる気があるのは、地方発のほう」との意見も。行政関係という他の参加者からも「合意形成はどうやって?」との質問が飛ぶなど、具体的な情報の分かち合があり、分科会は終了しました。
■ どんな地域でも「住んでいる人が主役」(IPウーマンさん) 最近、引っ越しをしました。東京に追いつき追い越せとばかりに、新しいショッピングセンターを乱立させる郊外都市から、東京23区へ。金太郎飴のように「トーキョーライク」な郊外都市と、昔ながらの地域行事の残る東京の両方を見て、地域活性化はどうあるべきか、ずっと考えてきました。この分科会のスピーカーは皆東京外に生活し、そこでビジネスをしている方々。ファシリテーターの藤田氏を含め、四者四様、色々な言葉で地域活性化に対する思いを語っていらっしゃいましたが、結局、どんな地域でも「住んでいる人が主役」でなければならない、ということだったように思います。立派なテーマパークでもなく、巨大スーパーマーケットでもなく、箱モノを動かす「人の心」がなければ、その地域は廃れてしまうということです。近頃すっかり下火になってしまった遷都の議論ですが、現在の状態で都市機能をいくら移転しても、ミニ・トーキョーができるばかりです。そこに住みたい人が、住みたい態様で、誇りを持って生活していく力をつけなければ、“東京ひとり勝ち”から脱することは難しいかもしれない、と実感しました。
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