ホーム > 第13回 国際女性ビジネス会議リポート > 分科会の様子:Thinking of Asian Women’s Roles in the Economy and Society(アジアの女性活用を考える)
講師には、日本女子大学人間社会学部現代社会学科教授の大沢真知子さん、フェデックス韓国マネージングディレクターのチェ・ウンミさん、ジャーナリストのアルトマン京子さん、ファシリテーターには、株式会社ユニカルインターナショナルのエロック・ハリマさんを迎えました。
まず、ファシリテーターのエロックさんから、インドネシアの女性雇用状況についてのお話と、問題提起がありました。インドネシアでは、政治、経済、教育などの分野で、高い地位にいる女性が多いこと。しかし、その影で、インドネシアに限らずアジアの地方では、女性であるがために年齢の若いうちから労働を強いられるケースや、安い賃金でハウスメイドなどとして働くケースがあるという現状を、教えてくれました。
続く大沢さんは、日本の現状について。派遣労働者が多く、正社員になるためのハードルが高いこと、一度家庭に入ると、再就職することが難しいことなど、女性の労働状態について説明されました。大沢さんは、働く女性、特に子育て中の女性をサポートするために、もっと柔軟なシステムを作るべき、と強く意見され、自身による具体的な提案を披露されました。
ウンミさんは、韓国の現状について、特別講演の中でも触れた「Mコード」について詳しく説明。働く女性を応援するために、政府の役割ももちろん重要だが、それ以上に必要なのは、企業の積極的な対策ではないか、と参加者に投げかけました。例えば、韓国では最近、3ヶ月の産休を取る権利が法律で守られることになったが、多くの女性社員は、自分の評価に影響があることを恐れ、その権利を行使しない人が多いとのことです。
アルトマンさんは、中国の状況について。政府の男女平等スローガンで、政府機関で活躍する女性の数が増えていくと発表されたが、実際は低いランクで働いている人がほとんどではないか、と話されました。現在、中国ではさまざまな分野で急速な変化が起きており、ビジネスの世界でも働く女性が増え、億万長者リストの中に女性の名前が見られるようになったことなどを、教えてくれました。
質疑応答の時間には、アメリカ人男性から「日本の職場で男女問題を話す前に、まず日本人女性のマインドセットを変えないといけないと思うが、どうか」という質問や、日本人女性から「これからも前向きに生きたいと思うが、周りにロールモデルがあまりいないので、困っている。皆さんの人生でのロールモデルについて聞かせて欲しい」という要望がありました。
そんな中「企業がもっと責任を持ち女性を活用していくべき」との意見が。一方で、結婚して家庭を持つと、以前より仕事に集中しなくなるなど「女性側にも問題はある」とチェさん。また、参加者からは「ワーク・ライフ・バランスを考え、現状を維持して働きたいという女性もいる」という意見があり、それについてほかの参加者から「それは妥協では」と発言があるなど、熱のこもったやり取りも。最後に、講師の方々からメンターについて、微笑ましい思い出話を交えながらお話しいただき、セッションは終了しました。
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