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第3回 久保純子さん
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「惑星」が出てきてから、あらゆる世界が拡がった その2 |
進藤 |
じゃあ、精神的な変化というか、内面的な部分はどう?
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久保 |
一人でがんばっていたときには、やっぱり性格が角張っていたような気がする。
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進藤 |
えっ、意外!! 純ちゃんでも?
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久保 |
うん。とても神経が過敏になっていて、人に対してはいつも、どこまで信頼していいものかと懐疑的になりながら、自分を守っていた。それが、だんだん人を信頼できるようになってきたし、自分自身が角がとれてまあるくなってきたって感じがする。このままいったらふにゃふにゃになってしまうと思うぐらい(笑)。
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進藤 |
それは、どういうときに感じるの?
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久保 |
毎日の生活の中で。主人や娘や母に対しても、他の人に対しても、自然に笑えるように、やさしくなれるようになった。ちょっとずつ自信みたいなものが出てきたのかもしれない。大人になってきたのかもしれない。前は自信がなくて、どうしていいかわからなくて、いつもいつも答えがなくていつもいつも不安だった。
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進藤 |
お仕事に対しても?
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久保 |
うん、特に仕事。自分の全てが仕事だったから、これでいいのだろうかという毎日だった。
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進藤 |
でもそれは、新人時代だったり……。
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久保 |
ううん、最初の紅白もそうだし、毎日不安に囲われていたという気が、今思えば。
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進藤 |
そうなんだぁ。でもそんなふうには全然見えなかったよね。
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久保 |
今も自信があるってわけではないのだけれど、今になってみると、あの時って余裕がなかったな、自信がなくて悩んでいたんだなと思う。少しずついろいろな意味で考え方がゆるやかになってきた感じはする。 |
進藤 |
いいねぇ。とてもイイ感じ。
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久保 |
いや聞かれるとそうなんだけど、実感しているってわけじゃ全然なくて。
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進藤 |
わたしもゆるやかになりたいんですけど、どうすればいいでしょうね(笑)。
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久保 |
早く結婚して。早く。
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進藤 |
そうすれば……なれるかしら。私でも(笑)。
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久保 |
確実に変わると思う。女の人っていつも不安を抱えているでしょ? 恋愛もそうだし、お仕事ももちろんそうだし。「自分がいてもいいんだ」という確固たる場所ができると、楽になれる。
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進藤 |
でもさ、純ちゃんっていつもいい意味でふわっとしてたじゃない。
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久保 |
してた?
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進藤 |
してたしてた。マイペースな雰囲気で。それでいて、仕事も求められた以上にきっちりやって。だから、不安に囲われていたなんて聞くと、世の中の人は、「えっ、そんなふうに思っていたの?」って驚くんじゃないかと思うんだ。
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久保 |
でもみんなそうなんじゃないかな。どんなに強がっていても結局は一人で、もがいているんじゃないかな。
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