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第4回 カオリ・ナラ・ターナーさん
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冬に表に出たら風邪を引く |
カオリ |
ところで、お仕事はどうして辞めたの? |
進藤 |
うーん。また違うステップに進みたい、と思ったからでしょうか。 |
カオリ |
わかるわかる。私が日本にいて、自分が真剣になって踊っているうちに、「ああ、向こうの本物の踊りのいっとう後ろでもいいから踊りたい」と思って、全部捨てて行ったのと同じよね。 |
進藤 |
そこまで覚悟してたかどうか(笑)。でも、これからどうしようかと考えると、時として、意味もなく焦ったり(笑)。
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カオリ |
そうそう。人間って焦りは一番ダメ。焦ったらね、自分のいいとこも消えてしまうし、もう自分じゃなくなるから。そういうときは一歩引いて、私だったら「いま冬なんだよ、冬に表出たら風邪引くよ」って思う。冬は暖かくおこたに入って本でも読もうじゃないか、神様がいま休みをくれてるんだ、と思って、普段読めなかった本をいっぱい買ってきて、片っ端から読んでみたり、ね。
そのうち、ひらめきが出ますよ。本ほどステキなものないもん。だって、人の一生を自分で一生懸命やったって、一冊の本になるかならないか、それを人の人生全部読ませてもらうんだから。それに映画観たり、お芝居観たり。あせったって、冬に飛び出して風邪引くだけ、って思えばいいのよ。だまってたって春が来る、春がくれば花が咲く。それを冬なのに、花咲かせようとするのが、あなたの焦りなの。 |
進藤 |
ターナーさんご自身は、そういうご経験ありましたか? |
カオリ |
幸か不幸かないんですね。ただね、焦るよりも、ダンサー時代だったけど、上手な人を見ると、どうしてあそこまでターンがきれるんだろう? と思う。そうしたら、「よし!」と思って、人の来る一時間前から、そればかり練習してみたり。2年でそこのグループの一番下から一番になりましたけどね。
小僧さんでもよく言うじゃない。「俺は社長の器であって小僧なんてやってらんない」という人は一生小僧よ、って私言うの。小僧なら、店一番の小僧になってやろうと思いなさい、って。そういう人が社長になる。 |
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