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藤田 理麻さん
「人生で最大のギフト」
『ワーズワースの庭』は大好きな番組でした。いつか私も、こんな番組に関わりたい、そう思いながら画面を見つめていたことを思い出します。
ニューヨークで暮らし始めて数ヶ月が経った頃、知人の紹介で、そのタイトル画を描かれていた藤田理麻さんにお目にかかる機会に恵まれました。それは、自分の鼻や耳や唇や、顔のパーツがちゃんとそこに存在しているか確認したくなるほど凍てついた、冬のある日のことでした。そんな季節のせいか、なにかにつけて考え込みがちだった私を、見るに見かねて知人は誘ってくれたのかもしれません。
理麻さんとは、お住まい近くにある、こじんまりしたアットホームな雰囲気のイタリアンレストランでお目にかかりました。日本・アメリカ・ヨーロッパと、世界を股にかけて活躍されている女性なのだから、きっと眩しいくらいに積極的なパワー溢れる方なのだろう、わたしはそう思っていました。
ところが、笑みをたたえる、とはあのような様子のことを指すのでしょう。じっと静かに、我慢強く私の話に耳を傾けてくださった理麻さん。そして時折、ご自分の考えをやんわりと重ねてくださるのです。誰かに受け入れてもらうことが、包み込んでもらえたことが、これほどまでに気持ちを軽くするもなのかと、どんなに有り難かったことでしょう。あちらこちらに散乱し、凝り固まった思考の塊が、ゆっくり溶けていくのを感じました。
すっかり理麻さんのとりこになった私は、その後も、作品展にうかがったり、理麻さんが関わるボランティア活動を覗かせていただいたり。
そして、日本で開かれる個展を前に、作品作りに明け暮れるお忙しいなか、快くこのインタビューをお引き受けいただくことになりました。しかも、ご自身のアトリエで。こうして、「国境を越えた足跡」in N.Yとなったのでした。
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【1回】 | 人生で最大のギフト その1 |
【2回】 | 人生で最大のギフト その2 |
【3回】 | 人生で最大のギフト その3 |
【4回】 | すべては自分の発想しだい その1 |
【5回】 | すべては自分の発想しだい その2 |
【6回】 | すべては自分の発想しだい その3 |
【7回】 | 自分の直観に従う勇気 その1 |
【8回】 | 自分の直観に従う勇気 その2 |
【9回】 | 自分の直観に従う勇気 その3 |
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ふじた・りま
東京生まれ、兵庫県芦屋市で育つ。1979年よりニューヨーク在住。パーソンズ美術大学学士号修了後、NYと日本を中心に活動。フジTV「ワーズワースの庭・冒険」のタイトル画、NYナイトクラブ「MARS」やアグロドームの巨大壁画、アメリカのスターシェフ達の店のアートディレクション、稲葉浩志(B'z)のソロCDの肖像画、多数の女性誌でスピリチュアルエッセイと絵の連載を手掛ける。日本では過去10年から現在に至るまで、毎年、新宿伊勢丹や渋谷東急文化村で個展を開催し、NYでは個展の他に、平和をテーマとしたイベントを自らプロデュースするなど、平和運動家としても熱意を注ぐ。
絵本を持たない国の子供達のために絵本を作って寄付するという機関「Books for Children」を設立。4年の歳月をかけて制作した絵本「ワンダートーク」(サンクチュアリ出版)をチベット難民孤児達に2000冊寄付した。他の著書に「シンプル瞑想」(講談社)、「小さな黒い箱」(KKベストセラーズ)がある。2003年秋、ニューヨークのチベットハウス美術館にて展覧会を開催予定。2000年度ジョルジオアルマーニビジネスパーソンアワード(文化人賞)受賞。
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