毒になるには正直すぎた 2002年2月2日
当初から仕組まれていたのでは?
田中外相が更迭された。外務省の事務次官が刺し違えた形で、更迭されたが、これは当初から仕組まれたことだった気がする。外相が希望した人事は、まったく実現しなかったわけだから。
他の大物政治家に不利になりそうなことが出てきたときは、いかようにももみ消せるような、そんなことを想定した人事だったような気がする。田中外相は、二世議員としては別格の人物なので、いろんなしがらみを気にせず行動できたのだと思う。これは、わたしたちにとっては、とても価値のあることだった。外務省の、これまでまったく公にならなかった汚職を明らかにしたことは、他の政治家ができなかったことだ。永田町の常識は、わたしたちには分からないことだらけだ。
この人事が撤回されるのが無理だとしても、後任の川口外相は、国民が納得する形で外務省の改革に積極的に取り組んでほしい。そして、鈴木議員と外務省との癒着の実態も解明していただきたい。(もなこ)
「埃」を誰かすっぱ抜いて
鈴木氏をたたけば、「埃」がたくさん出てくると思いますが、その中には、小泉総理、または、前総理、前々総理と芋づる式に、議員たちにとって、また、外務省官僚にとって、都合の悪い「埃」があって、更迭によって蓋をする、という構図がありそう。政治家のもっともご都合主義な部分であるように思う。
誰か、鈴木氏をすっぱ抜いて欲しいです。あの、態度何とかならんかね!?
誰がすっぱ抜くか、うやむやにはさせたくないです。(匿名)
NGOは小さな問題ではない
NGO問題を小さな問題として片付けてしまうことは反対です。(藤田さんは)結果的に出席できたのだから、よいではないかという意見なのかもしれませんが、けっして、大臣が参加許可すれば終わった問題ではないと思います。過去にも、大臣や総理の言動が問題視され、国会が空転したことが幾度となくありますが、それらに比べてかなり重要なことだと思います。
今回、出席に至るには、NGOの大西氏はさまざまな努力をしたはずです。鈴木氏のNGOへの嫌がらせとも取れるような、それこそ、子どもじみた言動のために振り回されたのです。しかも、それが一度や二度ではないはずです。政治的に、きちんとした理論があって、政治家が発言するのであるならともかく、どう考えても、今回の一件には理論は見えてきません。単なる、感情論、気に入らないから困らせてやろう、それだけです。
それが、あなたの考える議員の圧力のかけ方の一つなのでしょうか?
望ましい方向に圧力をかけたのではあれば、国民だってバカじゃあるまいし、抗議をしたりしません。国民のためではなく、自分自身のためにかける圧力だからおかしいと言っているのです。NGOはそんな議員の道具に利用されるために、存在するわけではないのです。NGOの活動がスムーズにいくように、政府や議員はサポートしていかなくてはならないはずです。権力をふるって、NGOを自分たちの意のままに操ろうなんて、傲慢です。
田中大臣を更迭したことよりも、こういう議員の不条理な圧力を当然のごとく受け止めて、見過ごしてしまうことに、国民は小泉総理に今までと同じ永田町の常識を見てしまい、落胆しているのだと思います。(匿名)
子どもの喧嘩
今回のNGO騒動から始まってあれよあれよという間に田中外省更迭。なんというドタバタ劇かとわたし自身ドラマを見ているような感覚でした。
もともとの問題自体が幼稚であるとは思います。NGOの参加を巡っての論議が結局は外相と鈴木氏の「喧嘩」にすりかわったわけで。小泉首相は喧嘩両成敗といってあのような決断を下し、その結果支持率の大幅な低下。田中外相のおかげで支持率が持っていたというマスコミの声もありますが、わたしは、結局すべてをうやむやにしたことが原因だと思います。
小泉首相がどれだけ忙しいのかわかりませんが、田中外相がどろ沼にいるときは「涙は女の武器」とか言って他人事であったのに、あまりにもうるさくなると外相更迭。もっと、首相だからできる外相への働きかけがあったのではと思います。
確かに田中外相はどれだけ外務大臣として働けたのかはわかりません。毒には正直すぎると言えばそうかもしれません。しかし、今まで問題のあった外務省やその他の政府機関の内幕を「ドラマ」として世間に見せつけたことは評価したいです。田中さんは不器用な人なんだと思います。結局は外務省の事務方との確執を明らかにしただけでしたが。しかし、外相としての外国との関係では前の大臣たちと変わらないと思います。
今回川口環境大臣が新たに外務大臣になりましたが、あの人には外務省と向き合って戦っていく鋭さがないように思います。それはこれから見ていかなければわからないことですが、外務大臣としてそつなく仕事をこなすことはできても、田中さんのように体当たりでぶつかっていく勇気はないように思います。私は体当たりでぶつかっていく田中さんの勇気を評価します。(tomonekey)
裏話が通じるのは日本だけ
今回の顛末は、日本の封建的な男社会に与しなかった女が切られたように、見えます。NGO問題は外務省内で物事がどのように決定されるのかが、はからずも国民の前に明らかにされました。機密費から始まった外務省改革のニュースを見ていると、外務省がどんなに不透明でうさんくさい組織なのかが少しづつわかってきました。しかし、日本では政治、役所、企業、大学など「男体質」の社会では、物事が決定される過程は本当に不透明で、外務省もその一つにすぎません。ほとんと、裏話で内密で決まっていると思います。
男たちは「本音と建前を使い分けろ、白黒はっきりさせられないのが世の中だ」という理屈で押し通そうとし、それに与しない女は、異質として排除されることが多いのが実状です。
でも、この不透明な決定過程こそ、国際的には通用しないのではないでしょうか。外務省という国益を守りながら、世界で交渉をしなければならない省が、自らの判断ではなく外部の圧力で、物事を決定していることが問題なのです。まるで、ある会社の仕事に別会社の取引関係者が口をはさんで脅したような状況です。
今回のような「裏話の暴露は大人のすることではない」が通用するのは、日本社会での話であって、この辺を根本的に変えなければ、構造改革や日本経済の再生も遠いのではないでしょうか。(匿名)
国民に顔を向けると損をする?
「今回の田中外相更迭はそれほど大きな小泉首相の失点なのでしょうか。」という問いかけ、というか感想に対しては、わたしは大きな失点だったと思います。これからの支持率がどのように変化するかはまだわかりませんが、今のところ、これほど急落すると思ってなかっただろう小泉首相の「先見の明のなさ」「田中外相の人気に支えられていると考えが及ばなかったおごり!」「田中外相を更迭しても国民は支持してくれるだろう……」、福田さんかそのあたりの提言があったのでしょう。自分も大丈夫と思ったのでしょうね。その国民の目線に立てなくなった小泉さんの今回の決定に、国民の怒りやいらだちが出たのだろうと思います。
田中外相にも問題がなかったとは誰も思っていません!
言動や態度など見ていると「アララ」と思うことも多々ありました。でもこれだけメディアが発達して常に田中さんの行動や言動をマスコミも追いかけ、変な質問もして、それでも答えようとしました。その中には一つや二つは失敗することもあるでしょう。指輪問題やあと数々ある不祥事と言われる部類のものなど、大きく取り上げるマスコミの質の低さが問われるべきです。そんなことだったら他の外相にも今までなかったと言えるでしょうか?
あまりに注目をあび人気が高かっただけに逆に不幸な結果に終わったと思います。
少なくとも田中外相は一生懸命に改革をしようという姿勢は見えました。これでは政治家は「改革は口だけに」が合言葉になりそうです。わたしたちに政治を見せてくれた田中さんが更迭されたのは、国民にとって不幸なことだったと思います。政治不信や小泉首相を信じられなくなっただけに終わった訳ですから……。支持率の高さを心配すると言うのは、こういうことだったのかも分かりませんね。
「誰が損して誰が得した」なんてメディアで言ってますが、国民が一番損したと思います。「痛みを伴ってもがんばって改革を!」と応援し、信じた国民が……。
「失点」とは。
田中外相更迭に関する藤田氏のコラムについて、更迭したことがそれほど小泉首相の「失点」なのでしょうか、というコメントに意見があります。その理由のひとつとして彼女の外務省改革の功績が大きくないことを挙げておられますが、膿を完全には出し切れずとも、田中さん以外にここまで徹底した姿勢を貫ける人物がそれでは他にいたんでしょうか?
そのことによって、引き継いだ川口現外相が少しは改革がやりやすくなったことの功績は大きいと思います。
わたしは、小泉首相の「失点」は更迭したことそれ自体ではなく、そんなことよりももともとは、明らかに外交手腕の欠如している人物を、内閣高支持率の下に外相という要のポストに据えてしまったこと、度重なる彼女の失態ぶりにもリーダーとして具体策を施してこなかった(ように見える)ことにあるのではないかと思います。
こんなことは実はご指摘の通り、依然として旧体質を脱しきれない日本の民間企業にはよくある話ですよ。雇用のミスマッチやリストラなどは、雇用サイドの不充分な現状問題解決策や一方的な責任放棄によって生みだされているのでは。リーダーとしての自分の資質を棚に上げて、「自分が一番傷ついた」と真顔でおっしゃる首相のナルシシズムぶりには言葉もありません。これでは、「ええかっこしい内閣」といわれても仕方ないでしょう。日本を代表する「ええかっこしい上司」の特徴は、人を育てるよりもシャッフルすることでしか事態を解決できないところにある、ということを今回の更迭劇を見ていて改めて感じました。(匿名)