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私の視点

他人事ではないアメリカのピンチ

藤田正美(ふじた・まさよし)
『ニューズウィーク日本版』編集主幹

2002年7月27日

世界経済を引っ張ってきたアメリカの調子がおかしくなっています。エネルギー大手のエンロンに端を発した会計疑惑が「飛び火」して、アメリカが標榜する自由主義経済そのものに疑問符がつけられてしまったからです。自由経済には「信用」が不可欠なのに、アメリカの企業が利益を粉飾してその信用を踏みにじってしまったのです。

エンロンはエネルギー企業でしたから、現在のブッシュ大統領やその側近とも近い関係にありました。そのためブッシュ政権そのものの信用度にも傷がついてしまったのです。それだけではありません。エンロンの後にも、通信大手のワールドコムがやはり粉飾決算で倒産しました。これでアメリカの株価が急落しています。

粉飾決算はどこの国でもある話ですが、アメリカの場合にどこが問題かというと、会計事務所までグルになっていたことです。本来、公認会計士という制度は、投資家が企業に投資する際に最も頼りにする情報を提供するための制度です。その昔は企業が自分に都合の悪い情報を隠すのは日常茶飯事。しかしこれでは健全な資本市場が発達しません。だから、幅広くお金を集める(つまり個人に投資してもらう)ためには、企業の決算内容が正確であることを保証する制度が必要だったのです。

そしてアメリカの会計制度は世界で最も厳しく、かつ公正なものであると喧伝されてきました。アメリカは日本などにもアメリカ式の会計手法を採用するよう強く働きかけてきたし、日本もそれを受け入れてきたのです。そのアメリカが実はかなりインチキなことをやっていたというので、アメリカの株式市場から資金がいっせいに逃げ出したから、株価が急落しました。

このようなある種の歪みが生まれたのは、高い株価を背景に企業の買収を繰り返すといういわば「最も資本主義的」なやり方がアメリカで広まったからです。アメリカでは、株価をいかに高くするか、それが経営者に課せられた最大の課題です。日本だといかに安定的な利益を出すかが経営者の課題で、それは本来は株価を高くすることにつながるのですが、株価だけが大きな目的になってしまうと、そのためにいろいろな手段を考え出す経営者や会計事務所が現れるということなのです。

まあ言ってみればアメリカは「強欲資本主義」になっていたということでしょうか。アメリカのこの現状を見て「それみたことか」と思っている日本人の経営者も多いと思います。日本式経営が輝いて世界で注目されていたのは1980年代。90年代からは、アメリカ式経営ばかりが脚光を浴びていたからです。

とはいえ、このアメリカの景気がおかしくなれば日本も影響を受けざるをえません。なんといっても現在の日本は、輸出でしか景気を引っ張ることができず、その輸出先で最も大きいのはアメリカだからです。アメリカがこけたら日本が大怪我をしてしまうかもしれません。せっかく回復しかかった景気が再び失速する可能性も大きいのです。

いずれにせよここはアメリカに頑張ってもらわねばなりません。ヨーロッパもそう考えています。ブッシュ大統領は、あちこちでこの資本主義のあだ花として現れた「会計疑惑」を押し止めようと必死ですが、前にも書いたようにブッシュ自身が「強欲な資本家」の一人と見なされているだけに、いまひとつ説得力がないのも事実です。

アメリカの景気があまりおかしくなり、今年の秋の中間選挙が危なくなってくると、ブッシュがフセイン大統領をひきずりおろすためにイラク攻撃を決断するなどという物騒なシナリオもあります。そんなことになったら、日本はまた外交的にきわめてむずかしい立場に追い込まれるし、景気にはまた水を差されてしまいます。アメリカが本格的にこける前に、日本の景気をなんとかしないといけなかったのですが、どうやら時間切れになったようです。私たちも本格的な景気の悪化に対して身構えたほうがいいかもしれません。




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