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私の視点

唱えるだけの平和、日本の核武装

藤田正美(ふじた・まさよし)
『ニューズウィーク日本版』編集主幹

2003年2月1日

アメリカのイラク攻撃の準備が着々と進んでいます。アメリカは「単独行動も辞さず」としています。アメリカの盟友、イギリスではブレア首相がアメリカを支持する姿勢を打ち出していますが、国内世論はむしろ慎重論に傾いています。フランスやドイツは首脳が慎重ですし、中国やロシアも査察にもっと時間をかけよと主張しています。

日本はというと、例によって世界の流れを見ながらなどと言うばかりで、あまりはっきりしたことを言いません。新しい国連安保理決議(イラクを武力攻撃するというお墨付き)がなければアメリカを支持できないと匂わせているのですが、そうはっきり言い切ることもできないでいます。

イラクより大きな「危機」、北朝鮮の核武装

小泉政権にとっては、ここでアメリカに「恩を売って」というより「楯突いてはいけない」という読みがあるのかもしれません。なぜなら北朝鮮の核開発問題という、日本にとってはイラクよりはるかに大きな「危機」があるからです。もしも北朝鮮に軍事的な圧力をかけざるをえない状況になれば、それができるのはアメリカをおいてほかにありません。もちろん北朝鮮の問題はアメリカにとっても重大な問題ですが、アメリカは日本を守るために行動するという姿勢を打ち出してくるでしょう。そのときに「イラクでは支持してくれなかったな」とアメリカから言われてはまずいとでも考えているのでしょうか。

たしかに北朝鮮の核開発は日本にとって大きな脅威になります。北朝鮮が核爆弾を持ち、日本にまで届くミサイルを持ち、そして日本に対して敵意をもっているということになれば、日本人も安閑としてはいられなくなります。実際、かつてテポドンが日本の上空を通過したときには、日本全体が一種のパニックになりました。そうであれば、北朝鮮が実際に核爆弾をもっていると宣言し、それを背景に日本に圧力をかけてきたらきわめて危険なヒステリー状態になる可能性もあります。

平和的な解決への努力が水泡に帰したとき……

もちろん平和的な解決が、日本だけでなく韓国、アメリカ、ロシア、中国という周辺国にとって望ましいものであることには間違いはありません。そのための努力は惜しみなく続けられるべきなのです。しかし、もし同時にすべての努力が水泡に帰したとき、日本はどうするのか、ということも考えておかなければいけません。まさか「アメリカさん、お願いしますよ。日本には平和憲法がありますから何もできません」というわけにはいかないでしょう。

自衛隊は、世界でも有数の軍隊ですが、他国に軍事的圧力をかける能力はありません。あくまでも日本に責めてきた外国の軍隊を排除するのが目的だからです。そうすると北朝鮮の情勢をにらみながら、自衛隊の能力を高めていくというのも一つの選択肢です。もちろん、軍事的には何もしないでとにかく外交的解決を目指す、それでダメならあきめるというのも一つの選択肢です。また、北朝鮮が核を持つなら、日本も核武装してそれによる抑止を目指すというのも選択肢です。

「ダブル・スタンダード」に守られていた国、日本

こう書くと、世界唯一の被爆国である日本が「核武装」なんてとんでもないと思われるでしょう。わたしも感情的にはそう思います。しかしコミュニケーションするパイプがない国に、日本への攻撃を思いとどまらせるには、「究極の抑止力」としての核武装しかない、という論理もあるのです。現に、アメリカなどでは日本が核武装するシナリオが大まじめに議論されています。なかには日本に核武装させるべきだという人もいます。

このコラムでも時々書いてきましたが、わたしたちが第二次大戦後基本的に平和でいられたのは、平和憲法があったからではありません。米ソの冷戦構造の中で、日本がアメリカの同盟国として存在し、ある意味でアメリカの核の傘に入っていたからだということができます。実際、終戦にかけてソ連は北海道の占領を要求していました。それをアメリカがはねつけることができたのは、ソ連を封じ込めというアメリカの戦略があったからであり、その背景にはアメリカの核があったからなのです。つまりわたしたちは、非核三原則を持っている世界唯一の国であると同時に、アメリカの核に守られた国だという「ダブル・スタンダード」の中で平和に暮らし、世界第二位の経済大国になったのではないでしょうか。

わたしは日本が核武装すべきだとは思いません。日本の核武装は東アジアの安全保障の枠組みを複雑なものにするし、ロシアや中国は日本を危険な国とみなすでしょう。韓国も日本に対する警戒感を強めます。そういった周辺諸国の反発を考えれば、日本の「核武装」はあまりにも代償が大きい選択肢なのだと思います。でもそうならば、北朝鮮の核にどのように対抗するのか、ということが次の大きな問題になります。その答えはなかなか出せそうにないのですが、ただただ平和を唱えていればいいというものではないことも明らかです。みなさんはどのようにお考えになりますか?




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