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第4回(4) 2005/11/22
「北方領土」って、何が問題なの? |
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【国境の移り変わりを地図で確認】
<3ページ目からの続き>
……どこの国の色にもなっておらず、白いままのはずです。日本としては、樺太の南半分も千島列島のサンフランシスコ講和条約で放棄したけれど、これをソ連(ロシア)のものとする平和条約をソ連(ロシア)と結んでいない以上、帰属は未定だ、つまり「どこの島とは決まっていない」という立場をとっています。平和条約を結んで、北方領土が日本に戻ってきたら、南樺太と千島列島をロシアの色に塗ってあげますよ、という立場が地図に反映されているのです。
2島か、4島か
その後、ソ連は、「ソ連と日本の間に領土問題は存在しない」と言い出し、日ソ関係は冷却します。日本としては、まずソ連に対して、領土問題が存在することを認めさせるのにひと苦労だったのです。
しかし、ソ連が崩壊してロシアになると、解決に向けて一筋の光が見えてきます。
1992年から、日本人の北方領土への「ビザなし渡航」が始まりました。日本人がロシアに行くには「ビザ」が必要ですが、日本にしてみれば、北方領土は日本の領土だから、ビザを申請することは認められません。そこで特例として、日本人が北方領土を訪問するときはビザを申請しなくていいですよ、ということをロシアが認めるようになったのです。
また、ロシアのエリツィン大統領は、1993年に日本を訪問した際、「領土問題を解決し、平和条約を早期に結ぶ」と宣言しました。北方領土問題の存在を認め、領土を返還する用意があることを認めたのです。
では、北方領土問題に関して、日本としてどういう態度で臨むのか。実は日本側には、2つの方針があって対立していて、歴代の内閣が、そのどちらの方針をとるか、もめることがあるのです。
ひとつは、「4島一括返還」を要求する方針。もうひとつは、ロシアが返してもいいという「歯舞、色丹」だけを先に返しもらい、後の2島については、今後さらに話し合いを続けていこうという「2島先行返還」論です。
森前首相は、「2島先行返還」も視野に入れるという柔軟姿勢でしたが、小泉首相は、「4島一括返還」論です。去年9月には、小泉首相が根室沖から歯舞、色丹を視察するという行動に出ましたが、これにロシアが激しく反発。北方領土問題は、解決の糸口が見つけられないままになっているのです。
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