アメリカの原油投機で灯油価格が上がった
このところ、2週間に3回も仕事で北海道に行ってきました。札幌や佐呂間町などですが、どこに行っても、灯油の価格上昇を嘆く声を聞きました。
寒い北海道では、部屋全体を暖める灯油ストーブが欠かせないため、少しの値段の上昇でも家計への影響は大きいのですね。今冬はとりわけ大打撃です。
灯油が高いから薪ストーブに戻ろうという動きもあります。北海道各地では薪ストーブが大人気。いまごろ生産している工場はほとんどないので、品薄状態で入手できないほどなんだそうです。
こんなに灯油価格が上がったのも、そして自動車用のガソリン価格が上がったのも、今年の夏の原油価格の高騰が原因であることは、あなたもご存じですよね。
では、どうして原油価格が上がったのか。それを考えてみましょう。それがわかると、体は寒くても、少なくとも頭はカッカと熱くなると思いますよ。
石油と灯油と原油の違いは?
まずは、簡単なおさらいから。私たちは「石油ストーブ」という言い方をしますが、これは正確には灯油ストーブですね。
プロパンガスもガソリンも灯油も軽油も重油も、みんな石油からとれます。ナフサという形で石油からとれるものは、プラスチックの材料になります。こうしたもの全部を総称して石油製品と呼びます。
地下から取り出した石油を精製工場で熱を加えることにより、比重の軽いものと重いものに分離させ、それぞれの油を取り出すのです。軽油と重油は、軽油の方が軽いから、この名前があるのです。
石油は、地下に池のようなものがあって、そこにたまっていると思っている人が意外に多いのですが、……
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