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不良債権処理と景気回復は無関係
小泉内閣のスローガン「構造改革なくして景気回復なし」。しかし、不良債権を処理することが、景気回復へとつながるのだろうか。エコノミストたちはどう考えているのだろうか?
基本的に不良債権処理と景気回復は関係ありません。不良債権を処理したら銀行が貸し出しをするかといったら、しない。今の状態では、貸したら不良債権になってしまう。だからすべてに優先するのはデフレを止めることです。デフレが止まれば不良債権があっても、銀行は貸し出しを始めます。すると、景気も回復するかもしれません。
しかし、そんな単純なことをエコノミストたちは言わない。多くのエコノミストが、企業の講演で飯を喰っていて、金持ちの味方だからです。たとえば講演に呼ばれて「企業を立て直す時にどうしたらいいか」と聞かれて、「ここに並んでいる働かない役員のクビを、全部切りゃいいんだ」と言う。すると、もう二度と講演に呼ばれない(笑)。それが一番手っ取り早い構造改革なのに。
ひどい話ですが、エコノミストも、権力者たち――これから何億円も退職金をもらって、デフレで笑いが止まらない人たち――が喜ぶようなことを言って日本経済を喰いものにしているのです。
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