ホーム > 第13回 国際女性ビジネス会議リポート > 分科会の様子:40代の役職者としてのキャリア&ライフ
国際女性ビジネス会議は、午後、14の分科会が2つのセッションに分かれます。第1セッションで行われた「30代のキャリア&ライフを考える」に対し、40代を対象としたこの分科会のタイトルには、「役職者」という言葉が加わりました。30代は、さまざまなプロジェクトのリーダーとして活躍する時期ですが、40代になると、そこにさらに総合的な責任や役割が加わってきます。
この分科会の講師には、弁護士であり、ヤフーの社外監査役でもある金野志保さん、日本コカ・コーラ副社長の射場瞬さん、ジョンソン・エンド・ジョンソンのジェネラル・マネジャー、近咲子さんという、役職につかれて活躍されている方々を迎え、40代になったばかりというイー・ウーマン取締役の荒木奈巳がファシリテーターを務めました。
分科会は、講師陣が、今までのキャリアについての経緯、家族のことなど、会議パンフレットのプロフィールに書かれていない要素での自己紹介から始まりました。その後、最初に、ファシリテーターの荒木から投げかけられた質問は、今のポジションに就くにあたり、どんなことが良かったか、役に立ったか、ということ。金野さんは、弁護士、大学の教授、ヤフーの監査役、という、ご自身が持っている異なった職務それぞれについて話されました。一番印象的だったのは、ヤフーの監査役。自分はIT系の仕事が好き、やりたい、ということを周囲に言い続け、そこに偶然の出会いが重なって手に入った職務だったのです。
射場さんは、今のポジションに就くまでの仕事の仕方について、「自分が何をやりたいかわかっている」「あきらめない、あせらない」など、4つのポイントにまとめて話しました。近さんは、自身が生まれ育った環境から「働き続ける」ということを強く思い、働き続けるために、自分には「価値がある」と思ってもらうよう努力してきたことが、今につながっている、と話しました。
辛かった時期は「低空飛行」と呼び、「子育てに追われていた30代が辛かった」という近さんや、アメリカの会社で慣れない時期を過ごしたという射場さん、30代後半から長い「低空飛行」の時期があったという金野さん。それぞれの「低空飛行」の体験をシェア。しかしそれを乗り越えたポイントには共通点がありました。それは、支えてくれる、応援してくれる、助けてくれる人=「メンター」がいたこと。そして、あきらめずに、前向きでいること。
会場からもさまざまな質問が出ました。「良い人脈を築くにはどうしたらよいか?」、「今後、組織の中でやりたいこと、組織の外でやりたいことは?」、「仕事に対するモットーは?」などなど。最後に、講師たちから、会場の参加者へ力強いメッセージが送られて、分科会は終了しました。
とにかくポジティブでパワフルな講師たちの話に、参加者からは「元気になった」「勇気付けられた」との声が続々。責任や役割が増えて不安になりがちな40代が、明るく、楽しみに感じられるようになった、とにかく元気になる分科会でした。
■ いくつかの障壁を突き抜けた爽やかさ(ムテキンさん) 明るく笑顔で元気にワクワク仕事をする。自分が幸せであるからこそ、仕事をして輝ける。この分科会に参加して印象に残ったことです。40代の役職者はこれまでの経験値によって、肩の力がぐ〜〜んと抜けていて、いくつかの障壁を突き抜けた爽やかさがあります。そして役職を得るために頑張るというよりは、どんな仕事をしたいかに興味が集中していて、幸運の女神が微笑んだら躊躇することなくしっかりと前髪をつかみ、幸せの階段を駆け上っていく。ガツガツというのではなく、スマートに! これまで女性だから損をしてきたこともたくさんあります。だからこそ、今の追い風にのって、女性の特性を活かし、ビジネスの場で有利になることを見逃さず、ポジティブな考えで、挑戦していく。仕事だけではない、苦しいときには、信頼できる愛情あふれたパートナーが隣にいて支えてくれるという、温かい家庭も手に入れているのです。常に心が満たされているから、人間的な魅力も増し、いい女になっていく。掛け算的にオーラが増し、パワフルに運を引き寄せ成長していく。私も幸運の女神の前髪をいつでもつかめるように準備して、笑顔で過ごしたいと思います。
■ HAPPYな40代を信じ揺るがず明日も働くぞと決意(tarshuさん) 気付けばアラ40。まだまだ迷いも悩みも多い中これから10年どう行くべきか考え始めていた私になんとタイムリー。これまで10数年組織で働き、これからも組織の中で働き続けるつもりの私にとって特に日本コカコーラの射場さん、J&Jの近さんのキャリアは「どうすれば」と言う私の深い疑問にきっと何かすごいキーワードを与えてくれるものと期待満々。しかし予想に反してお二人ともすごく「普通!」ただただ継続しただけと言切る言葉もソフトで普通。30代は3人の子育てに追われ仕事は続ける事だけで精一杯だったと近さん。本当に行きたい分野なら7-8年も続ければ誰でもいけると言われ続けたという射場さん。そう、出てきたキーワードは「続ける」のみ?? そして40代。トンネルから脱し、突き抜けたら本当に楽しいと言葉が揃う。そんなはずは……と思いつつ、でも確かに皆さんのおっしゃる通り、私も今、自分の好きな事、出来る事が判り始め、わくわくしながら仕事をしている。なら自分なりに自信を持って続ければ、楽しい40代が来るのかもしれない。直接お話を伺っても「大丈夫! 頑張って!」と笑顔で返されるならば、その言葉を真に受けてHAPPYな40代を信じ、揺るがず、明日も働くぞと決意。本当に有意義な時間に3名の方々に大感謝です!
■ 人生を採点するのはまだ早い!(Perlaさん) 20〜30代、目の前のハードルを無我夢中に超え続けてきました。しかし「不惑」40歳を来年に控えてもなお、自分が果たすべき使命が見えてこない焦りから「私はもう限界か?」一人悩むことが多くなりました。そんな中、この分科会に応募したのも、今となっては何かのお導きであった気がしてなりません。講師の射場さん、近さん、金野さん。現在素晴らしい貢献をされている方ばかりですが、様々な角度からお話を伺うにつれ「30代迄はひたすら走り続けてきた」点で実は現在の私と共通しているように感じました。特に「20代は飲んでばかり、30代は苦しいばかり。その頃は何が好きで、何をしたいのか分からなかった」とユーモアを交えながらご自身を振り返る近さんには、思わず私自身を重ね合わせてしまいました。そんな近さんの「40代で一気にトンネルを『突き抜けた』感がした」というお言葉は「30代で何か成し遂げなければ手遅れ」という、これまで私を苦しめてきた勝手な思い込みをきっぱり捨てて下さいました。人生を採点するのはまだ早い! 40歳まであと1年、日々前向きな気持ちでベストを尽くし、その流れで一気に40代「突き抜ける!」決意を新たにした次第です。
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