「外国人ビジネスパーソンから、日本への提言!」
(正宗エリザベス/エロック・ハリマ/リチャード L.フォルソム/ダーシー・アンダーソン※)※ファシリテーター
他の国から日本を見た時、日本はどのように映り、日本へどのようなアドバイスができるのか? 「外国人ビジネスパーソンから、日本への提言!」の分科会は、講師に、オーストラリア大使館・公使(商務)の正宗エリザベスさん、アドバンテッジパートナーズ 共同代表パートナーのリチャード L.フォルソムさん、川崎市外国人市民代表会議副委員長のエロック・ハリマさんを迎え、ファシリテーターは、ユニカルインターナショナル バイスプレジデントのダーシー・アンダーソンが務めました。
分科会が始まり、インドネシア、ベトナム、韓国などで約12年、日本では約10年の外交官としての経験を持つオーストラリア大使館・公使(商務)の正宗エリザベスさんが、日本の持つ可能性を多様な視点で展開。すると早くも会場からは「海外からの観光客は変化をもたらすのか?」、「映画『Lost in Translation』が日本のイメージを劇的に変えた。これからもポジティブな日本のイメージを世界へ発信していけるはず」などの質問や意見が飛び交います。もちろん、英語。この分科会は、通訳なしで、英語のみで進められる分科会です。国際女性ビジネス会議の参加者は、国際コミュニケーションに長けています。
ケネディ大統領のスピーチ「あなたの国があなたに何をしてくれるのか問うのではなく、あなたがあなたの国の為に何ができるのか問いなさい」が、外交官という仕事を選んだ理由というエピソードは参加者のハートをぐっとつかみます。日本が世界とどう関わっていくべきか、外向き思考でいることの大切さなど、気づき、学ぶことができる貴重なお話ばかり。
フォルソムさんは24年前に来日し、主にプライベートエクイティ投資事業に従事。10年前に日本には存在しなかった、M&Aや人的資源の流動性に関して詳しく説明、会場はその貴重な話に真剣に聞き入ります。「日本の社会人は、ワーク・ライフ・バランスの“ライフ”にもっと重きを置くべき」と、生き方への提案もしたフォルソムさん。個人が社会に変化をもたらすことは十分可能だと断言。参加者は皆、心強さを覚えた様子で「M&Aの魅力をどのように日本企業へ伝えたらいいのか」などの質問があがりました。「M&Aのプロセスの重要性や投資の哲学」も語られ、M&Aに関して一歩深く考える契機を与えてくれました。
現職の経験を語る中で、強い信念をもって行動するポジティブな姿勢がひしひしと会場全体に伝わるインドネシア出身のエロック・ハリマさん。エネルギーたっぷりの彼女が現在のミッションについて話すと、その熱意を受けたように、「日本でもっと多文化な教育をして欲しい。ぜひ頑張ってほしい」と、参加者から逆エールが。ぶれることのないハリマさんのメッセージに、会場からは「お給料はどこから支払われるのか?」、「インドネシアに帰って社会貢献したいと思わない?」などの具体的な質問があがります。財源不足を理由に却下され続けても、忍耐強く主張し、決してあきらめないというハリマさんは、「日本人にもっと自信を持ってほしい」とまっすぐな強い瞳で訴えました。
ファシリテーターのアンダーソンは現在ギリシャ在住。20年以上も母国のアメリカを離れ、その多くを日本で過ごし、ユニカルインターナショナルのバイスプレジデントとして佐々木かをりと長く仕事を続ける彼女は、多様な生活を送っているため、どこの国へ行っても「外国との窓口」を果たすような存在になるそう。若い世代の交換留学の企画を通じ、多文化交流の大切さを訴えています。「日本の女性はこの20年で劇的にステップアップしたが、まだまだ可能性がある。個人が、母国や滞在した国々の大使として最高の例になるよう努力をする事が大切」と国際的に活躍するビジネスウーマンへ力強いメッセージを送ってくれました。
世界の中の日本を強く意識させられる刺激的な提言が飛び交ったこの分科会。国際的な雰囲気の会場で、国境はあるものの、人と人はつながっているということが、強く感じられた会となりました。
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