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第8回 西本智実さん
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100人の芸術家のリーダー |
進藤 |
「指揮者とは」というところからうかがいたいのですが。オーケストラは何人くらいで構成されてるんですか? |
西本 |
100人近いですね。多い場合で100人くらい、少ないと50数名ということになります。 |
進藤 |
それでも50人! それだけの人をまとめるんですか!! |
西本 |
50人以上はいます。わたしが指揮をするのは、かなり大きな曲なので、85人から90人はいます。 |
進藤 |
楽器は何種類になります? |
西本 |
弦楽器だけでも5つあります。まぁ全体で14、5くらいです。オーケストラという組織のなかで、それぞれのセクションごとに分かれていて、そののなかに、またグループがありますから大変です。 |
進藤 |
主張も違うでしょうしね。 |
西本 |
それは場合によりますが。でも、やはりそれぞれの仕事を目立たせないとだめです。 |
進藤 |
本番をむかえるまでにどれくらい時間があるものなんですか? |
西本 |
2日から4日ですね。それは、ボリショイでも他楽団でも一緒です。一回、指揮を振ると、その楽団の持つカラーがだいたいわかります。
芸術家たちの集まりですから、個性がとても強いんです。だからすごくおもしろいけれど、大変なこともあります。ものすごい力で全員を動かさなければならないんです。 |
進藤 |
それはもう力ワザで? |
西本 |
有無を言わさずに、首に縄をつけてでてもっていう感じです。みんなで徐々にわかり合っていくというパターンもありますが、最初から高圧的に、「これはこうだー」って言ってしまうこともあります。かなりリーダー性がなければできませんね。 |
進藤 |
責任は取るから、わたしの言う通りにやってくれっ、と。 |
西本 |
やってくれというよりも、「もう、やるんだ!」ですね。 |
進藤 |
リーダーシップを取ろうとすると、反発もあるのでは? |
西本 |
「やるんだ」というときにはないですね。ただ、みんなが心の中で思っていることが、雰囲気として出てきます。空気の色がぱっと変わるんです。それはキャッチするようにしています。 |
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