自衛隊イラク派遣は油のため?(2003年12月6日)
自国の政策をしっかり持たなければならない
イラク問題に関して、世界の足並みはそろっていないのに、日本も国際情勢の変化に対応し、国際社会の一員として果たすべき役割を担っていかなければならないというのはおかしいと思う。正確にはアメリカの同盟国、否、ブッシュ政権との約束を果たすための派兵なのだと思う。来年の米大統領選挙でブッシュ氏が敗北すれば、その約束だってどうなるかわからないのに、である。
国際情勢というのは今に限らず、常に変わっていく。だからこそ、その変化に流されるのではなく、自国の外交政策、軍事、戦争に対する政策をしっかり持たなければならないのではないだろうか。
時代に流されながら、かつて日本が大戦に参加したことを思い出す。その結果、日本はアジア諸国に多大な苦痛を与え、自らも大きな犠牲を払った結果、不戦の誓いをしたのではなかったのだろうか。たしかにあの時とは規模も関与の仕方も違うが、戦争や軍に対する国の姿勢がこのままずるずると拡大していくのではないかと不安に思う。結局、今の状況を見ると、ドイツは大戦から学び、日本は学ばなかったということになるような気がしてならない。(葉子リーヴズ)
イラク派遣は「参戦の表明」
藤田さんの意見はいつも嫌いです。今さら引けないから自衛隊を派遣する? イラク派遣は「参戦の表明」だと思います。そのような重大なことを、引くに引けないなどという時代遅れのメンツ主義で人命を軽んじる国家行動を決めつけないでほしいと思います。
CNNで、あるアメリカ人が言っていました。フランスのキャピタルもドイツのキャピタルもどうでもいい、重要なのはキャピタルヒルだと。アメリカ人の国益主義のためのイラク攻撃に、日本がおべんちゃらで協力することがもともと間違っていたのです。メンツはつぶれてもかまわないので、卑怯者と言われようとも憲法第9条を守っていきたいものです。(ミツチ)
政治家としての信念はどこに行った?
昨日の小泉総理の会見を見て改めてアメリカのご機嫌取りで今回の自衛隊派遣を決めたという思いを強くしました。国際貢献をと言いながらも総理の口から出る言葉は、「日米同盟」「米の同盟国であるならば……」「米の信頼ある同盟国だから……」という発言が目立っていました。
国際貢献というならば、国連の指揮下に入るのが常識ではないでしょうか。小泉総理は10年前のカンボジアでのPKO派遣について「あり得ない」と発言されていましたが、その政治家としての信念はどこに行ったのでしょうか。
「改革」という言葉に夢を見た国民は目を覚まし、小泉総理もやはりただの自民党の一議員であったと目を覚ますいい機会ではないでしょうか。昨日の総理の会見で説明責任を果たしたと政府が考えているのであれば、主権者たる国民は「なめられている」としか言えません。派遣先のイラク、もっと言えばサマワの人たちは武装した迷彩色の日本人が来ることを望んでいないのだから。(シゲ)
見えてこない日本の信念
イラクとアメリカの対立は石油をめぐる攻防であるが、どちらも排他的な一神教を社会のベースとしているために、ますます泥沼状態になっている。そこで多神教をベースとした日本が独自の価値観によって、解決への道筋を提示することで、国際社会における日本の存在感を増大させる……。そういう論調が一時期あったように思います。しかし、具体的な問題解決方法にはたどり着けないまま、世間からはアメリカの手下というレッテルを貼られてしまっています。
どのような大義にしても、アメリカの傘下ではなく、自らの信念と判断で行動しているというアピールができなくては仕方ありません。テロという方法に徹底して異議を唱えるという大義も、新たなテロを呼ぶだけのような気がします。本当に何のために行動しているのでしょうか。(四葉のクローバー)
現地の人たちに受け入れられる方法で
イラクへの自衛隊派遣はやめるべきです。振り返れば、イラクを破壊したのは、アメリカ中心の戦闘行動であり、その大義である大量破壊兵器もいまだに発見されず、アメリカ政府に追従する理由がなくなったからです。この破壊で、イラクが混乱しているのであれば、なおさら、間違った判断は下せません。
各国の支援部隊までがテロの標的だといいます。安全な地域があるとはいえない場所に、戦闘行動が任務にない自衛隊が派遣され、アメリカの占領政策に加担しなければならないのでしょうか。第二次大戦に、召集令状によって強制的に戦地に送られた過去の事態と重なって見えて、不気味です。
イラク攻撃に反対する声は日本でも大きく、「人の命を奪うこと=戦争」で問題を解決することはできないと多くの人が考えています。二人の悲しすぎる死に報いようとするならば、衝突のない、現地の人たちに受け入れられる方法で、イラクの復興を支援するしか道はないと思います。
現地のNGOの活動に資金援助をして参画し、イラクの人の就労も確保する、などいろんな方法があるはずです。戦闘訓練をつんだ自衛隊が行けば、現地の人はますます不安になるでしょう。(ponzu)
日本の大義はアメリカの尻拭い?
元々自衛隊のイラク派遣には反対でしたが、藤田さんの言われるように、一度出すと言ってしまった以上「今さら後には引けない」状態になってますよね。自衛隊のイラク派遣に大義があるとすれば、「同盟国アメリカの尻拭い」になるのでしょうか?
そもそもサダム・フセインやビン・ラディンに武器を供給していたのは、イランと戦争状態にあったアメリカでしたよね。で、現在、その銃口をこちらに向けられて困っていると……。
そもそも軍隊とは自国の国民を守るために存在し、そのためには命を賭けるのが大義でしょう。しかし今回のイラク派遣に関しては、どう考えても自国の国民のためではなく、アメリカ(もしくはブッシュ大統領)の面子のためですよね。これでもし自衛隊員が一人でもイラクで命を落としたら浮かばれないですよね。(いまいくん)