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Darcy Neillさん
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自分自身のあり方を変えていく
- 佐々木
今までに、多くのビジネスエグゼクティブのコーチをされてきていますね。
- ニール
コーチなどという名称が存在しないころから、私は独力で作り上げてきました。今では、大学でコーチングの学位を取ることもできますし、ビジネスマンのコーチングを提供する企業のホームページも沢山あるし、米国では認定書まで発行しています。日本でも、コーチと名乗る人は山ほどいるようですね。でも、私がはじめた頃にはなにもありませんでした。今でも、コーチという名称がいいかどうかは、疑問に思っています。
- 佐々木
一流のグローバルカンパニーのエグゼクティブたちと接していて、その人たちの前進をサポートする仕事をしてきた中で、共通する点というのは、何かありましたか。
- ニール
ええ。グローバルカンパニーのリーダーたちに共通する課題はいくつかありますし、共通した盲点もありました。でも一番問題だと思ったのは、リーダーになると、正直なフィードバックを聞く機会が殆どないということです。彼らの耳に届かない、のです。
だから私はこうした人たちに対しても、たとえば「そんな話し方をしていたら、この企業に未来はない。だから部下が、2〜3年で辞めてしまうのですよ」などと正直に伝えます。
- 佐々木
そういったメッセージを、エグゼクティブたちはちゃんと聞きますか?
- ニール
彼らが求めているから私を雇うのでしょうし、私に求められるのはあくまでもアドバイスであって、命令ではありません。コンサルタントとして、当然の仕事です。CNNやTIME/LIFE、あるいは大手製薬会社のマーケティング戦略など、私は、クライアントの業務内容に詳しいわけではありません。ですから、私がコンサルティングをしている部分というのは、「何をすればよいか」という行動の部分ではなく。「どのような人間になればよいか」という、「人としてのあり方」の部分を見ていくのです。部下やクライアントとの接し方をコーチし、良好な関係を築くことを助けることをしているのです。
たとえば、管理職の多くは「部下が思ったように動いてくれない」という不満を持っています。こういう人にはまず「部下に思ったように動いてもらうためには、自分自身がどうあるべきか?」を考えてもらうように、発想の転換を促していくのです。
部下を強制的に動かす方法ではなく、自分自身のあり方を変えていくことで、部下が皆、自主的に、あなたがして欲しいと思っていることをし始める。そんな環境を作っていくようにするのです。
子どもの躾と同じ事です。怒ったって、こどもは勉強も部屋の掃除もしません。でも親が態度を変えていくと、子どもたちは自分の意志で片付けも、勉強も始めるようになるのです。
- 佐々木
そうですね。その通りです。
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