ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第112回 渡邉 美樹さん

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渡邉 美樹さん
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「社長になろう。仇をとってやろう」って思って
- 渡邉
やっぱり時間だろうね。時間が癒していったよね。小学校6年の秋だから、そこから1年ぐらい、おかしい状態が続いたんだよね。で、1年ぐらいたって、少し心も元気になってきて、そのときに「社長になろう。仇をとってやろう」って思って。ただ、仇だけなんだよ、やりたい事は(笑)。人の事を貧乏にしやがって、って。
- 佐々木
でも、誰に? 世の中に?
- 渡邉
世の中に。食べるものがなくなっちゃったから。おかずがないし、「何で、食べるものもないんだろう?」って、びっくりしたね。
- 佐々木
赤紙は貼られなかったものの、食事は一気に減り、電気がつかないとか?
- 渡邉
電気はついていたけど、着るものが一切買えなくなった。
- 佐々木
お母さんがいらっしゃらないわけですから、お父さんが毎日の生活を?
- 渡邉
おばあちゃんがいたの。
- 佐々木
おばあちゃんだって、精神的にものすごくショックだったでしょう。娘がいなくなって、今度は息子の会社が。よく頑張られましたよね。
- 渡邉
そう。だから、おばあちゃんに、「何とかならないかな、このおかず。何で毎日、こんなの、おかずじゃない」って怒るわけですよ。そうすると、「何を言ってんの、あんた。今、これだけの生活費でやってるんだ」って。それで計算したら、とんでもないのよ、1日の食費が。自分でも分かるぐらい。「えっ? 無理だろ?」って。「そうでしょ。だから、これ以上無理言わないで」って言われて。
- 佐々木
おばあちゃんと、お父さんと、お姉ちゃんとの4人家族だったんですか。
- 渡邉
でも実際には、父はそれから朝は早く、夜は帰らない。だから、ほとんど会わない。
- 佐々木
じゃあ、お父さんは、子どもに一応宣告はしたものの、子どもの心のケアなんか全然できなかったでしょ?
- 渡邉
できない。ケアなんか、とんでもない。
- 佐々木
どうやってそこを乗り越えたんでしょうね? だって、精神の病だとおっしゃったけど、必ずしも、ただ時間では治らないでしょ?
- 渡邉
そうだね。何だろうな。分からないな。
- 佐々木
そこに、お父さんもあまりいらっしゃらないって事は、会話が特にそこで前向きに変わっていったわけではないんですよね?
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