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秋元征紘さん
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「君じゃなくてもいいんだから」
- 佐々木
その後日本精工には何年いらしたんですか?
- 秋元
2年ぐらいしてニューヨーク駐在になって、そこで5年ぐらい。その後、3年ほどカナダに行って、カナダの現地法人の販売会社のナンバー2になったんですけどね。
- 佐々木
カナダから帰っていらしたときは、30代前半ですね。
- 秋元
ええ。帰国後は工場の原価計算をやってました。でも、当時の元上司がベンチャーを始めて、その人についていきました。
実は僕は大学時代に、アルバイトでボストンコンサルティングのジェームス・C・アベッグレンのアシスタントをしてたんですね。それで、日本の経営とか、三種の神器とかをかじっていたんで、日本の企業はすごいな、と思っていたんです。
だけど入ったら、やっぱり会社社会主義だと思ったんですね。個人の可能性を無視するし、個人じゃなくて単位として見るとかね。ヒト・モノ・カネとよく言いますけど、カネ・モノ・ヒトか、モノ・カネ・ヒトで最後に「人」が来るような発想だったんです。
そういう会社社会主義のいやらしさっていうのに徹底的に抵抗したんですけど、やっぱり最後の最後でそこが耐えられなくなったんです。
辞める時に、人事部長に言われました。「君は入社した時から優遇されて、いろんな人にかわいがられている。エリートコースにいるのに何で辞めるんだ?」と慰留されたんですけど、理由ははっきり言わなかったんです。
最後「どうしても辞めさせてほしい」と言ったら、「まあいいよ」と。「会社は君じゃなくてもいいんだから」と言われましたね(笑)。
要するに、優秀なやつはほかにいっぱいいるから、君が退けば、君が持っていたチャンスをその人に与えるからいいんだ。別に君じゃなくてもいいんだからと、最後に判を押してくれたんです。その時にやっぱり辞めてよかったなと本当に思いました(笑)。
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