ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第27回 大久保ヨシさん

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大久保ヨシさん
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NYの有名サロンに、こんなふうに売り込んだんです
- 大久保
ニューヨークで仕事をし始めて少ししたころ、休みというとヨーロッパに行ってたんです。パリやロンドンに足を運んでいるうちに、「あれ? アメリカらしさって何だろう?」って思ってきたんです。ヨーロッパの高級サロンって、必ず緊張感があるんです。マンハッタンのサロンと違う。
そのころ、WARRENっていうサロンはヨーロッパにないような……なんていうんでしょう。まず第一印象が、楽しそうなサロンだなあと思ったんですね。従業員がのびのびとしていて、一人ひとり全然ファッションも違うし、乗ってくると、たまに踊りだしたり、そんなサロンだったんです。
サロンの場所も、ニューヨークで一番大きいといわれていた巨大ジムのビルの1階にあったんで、ジムに通っている人たちも出入りするわけですよ。で、「何だ? この店は?」と思って。少しカリフォルニアの雰囲気があったんですね。勤めるんだったらこういうアメリカにしかないような、楽しい健康的な面もあっていいんじゃないか、と思って選びました。
- 佐々木
どういうふうにして入ったんですか?
- 大久保
もう、いきなり。お店を外から見て、「オーナーに会ってみよう」と。グリーンカードも持ってるし、ある程度お客さんのカルテもありますし、「僕はこれだけの売上を証明できます」と言って。
- 佐々木
ちょっと待って。覗いていて、ここだと思って飛び込んだ。それも、ただ「入れてください」とか「こんな略歴です」というのではなくて、「僕にはこれだけの顧客がついています。僕がここに来ればこれだけの売上を必ず上げてみせます」と言ったんですか。
- 大久保
そう。売上げを保証できると言わなければ「アシスタントならいいよ」となってしまう。アメリカではアシスタントで雇われることは簡単なんです。でも下手したら5年たってもアシスタントでいる可能性もあるんです。上に上がるのは尋常じゃないから。
- 佐々木
その売り込み手法はどこかで学んだの? 誰かに教えてもらったの?
- 大久保
んー、自分で考えましたね。売上が取れることを証明しないと、話をまともに聞いてくれないだろうなと思って。
- 佐々木
さすが。日本ではそういう話、あんまり聞かないような気がするんですけど。
- 大久保
あんまりないですね。固定給で、ある程度給料が決まっているし。アメリカではほとんど売上制ですからね。サロンでお客さまがお支払いになる金額は、基本的にはフィフティーフィフティー。具体的には、スタイリストの腕によって35%くらいから65%くらいの幅。そのほかにチップ。
- 佐々木
じゃあ、今日はヨシにはお客さんが何人来た、売上はいくらだった、という記録がついて、人気度もわかるんですね。それはチャート化されて、スタッフ会議で発表されるとか?
- 大久保
いやあ、公にはしませんね。でもマネジメント側はしっかり見ています。
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