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米倉 誠一郎さん
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森社長は54歳で本格スタートだったんですよ
- 米倉
ここ(六本木ヒルズ)ももう、すごくおもしろくて。ここをゴールドマンサックスに貸せばすごく高い部屋代が取れるのに、森さん(注:森ビルの森稔社長)は「文化を発信していないと駄目なんだ」と。六本木ヒルズも国がつくったわけではないんですよね。17年の歳月をかけて1軒1軒回って、こういうふうにしようよと説明し、それに賛成した400人かの所帯が住宅棟に入った。
ここにある種の空間をつくりたい、街をつくりたい、ということなんですね。だから、もうからないと思うんだけど、美術館をつくったり、学校を開いたりしてるんです。
そもそもが、先代の森泰吉郎さんは一橋大学を卒業して、僕と同じ、経営史っていうのを横浜市立大学で教えていたんですよ。
- 佐々木
それは知りませんでした。
- 米倉
息子さんの稔さんは東京大学在学中から、父親の手伝いでビルの仕事を任されていた。そしたら先代の森泰吉郎さんが学部長のときに、「あいつビジネスやってけしからん」というような話が出た。泰吉郎さんは、「そういうつまらないことを言うの!? じゃあ辞めてやる」と言って、本格的に自分でビジネスを始めた。54歳の時ですよ。
- 佐々木
それを聞くとわたしたちはまだまだこれからじゃないかと(笑)。
- 米倉
ほんと、ほんと。それからですからね、森ビルがこんなに大きくなったのは。泰吉郎さんは赤坂アークヒルズができた時に、「都市塾」というのをつくったんですね。文化の基盤をつくる主軸をつくってたんですよ。それで「三代目の塾長やらないか」と話がきたんですね。
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