ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第38回 山口容子さん

38 |
アナウンサー・ビジネスコミュニケーショントレーナー
山口容子さん
|
|
|
ニュースと選挙速報がお気に入り、な小学生
- 佐々木
それにしても、大学3年の時にはアナウンサー志望が明確だったんだ?
- 山口
それはもう、小学生の時から。
- 佐々木
小学生の頃? 何年生で?
- 山口
6年生の時。放送委員会に入ったの。ピンポンパーンってチャイムが鳴った後で、「みなさん、清掃の時間です」って言ったりね、放課後は「もう、帰りましょう」なんていうアナウンスをするんです。放送室は、小さいけれどスタジオもあって、新潟の田舎の小学校の割には最新式のテレビカメラも入ってて。
- 佐々木
すごいですねえ!
- 山口
すごい放送室だったの。市立の小学校なのに、そういう施設があったの。わたしはテレビカメラが入った最初の年かなんかの放送委員で、すっかりその世界が気に入ってしまった。ピンポンパーンって鳴ってから、余韻が消えるか消えないかのタイミングで「みなさん」っていうまでの一瞬の「間(ま)」が、なんとも言えず好きでね。たとえば、お習字で清書をする時に、たっぷり墨をつけて、「んっ」とこうやって構えるでしょ? 筆を下ろすまでの「間」。
- 佐々木
わかるわかる。
- 山口
そろばんの読み上げ算で、そろばんを「願いましては」ってガチャって払って、ピッとはじいた後で、先生が読み上げ始めるまでの一瞬の「間」。あの、みーんなが黙ってる時間と空間もたまらなく好きで。だから、ピンポンパンの後の静けさに、きっとひかれちゃったんだと思う。
小さい頃はね、NHKの7時のニュースが、なにより好きだったの(笑)。
- 佐々木
うちの子も1、2歳くらいから、7時のニュースのキャスターの名前、覚えてた(笑)。
- 山口
とにかく子ども心に、「ニュースを読む人」になりたいって思ってたの。あと、好きだったのは、選挙の開票速報。中学に入るくらいかな、何かの選挙があって。でも、放送時間が遅いでしょ?
「もう寝なさい」って言われても、どうしても聞きたいわけ。だから、寝るふりをして、お布団かぶって、ラジオをつけて「○山×男、無所属・新、当選確実」とか聞くと、もううれしくって。
- 佐々木
なんだろう、滑舌のいい話しっぷりが好きだったの?
- 山口
それも好きなんでしょうけれど、なにかがリアルに動いていく感じかなあ。ごめんなさい、考えたことがなかったわ、どうして好きだったのか(笑)。
- 佐々木
(笑)。それで、中学校から高校まで放送部に?
- 山口
違うの。自分の中では、アナウンサーになるという明確な目標ができてたわけだけど、中学生になったら、それを口にするのが恥ずかしくなって。「容子ちゃんは将来、何になりたいの?」って聞かれても、「えー、別にぃ……」って、絶対、人には言わなかった。あまりにも大それたことだと思ったのよね。自分はなりたいと思っていても、なれないだろう、と。だから「アナウンサーになりたい」なんて言って、なれなかったら恥ずかしいって、そういう感じかな。
2/20
|
 |
|
|