ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第40回 枝廣淳子さん

40 |
同時通訳者・環境ジャーナリスト・セルフマネジメントコーチ
枝廣淳子さん
|
|
|
コミュニケーション技術を上げる
- 佐々木
最後に、「コミュニケーションは、知識のギャップと置かれた立場のギャップを乗り越えることができること」っておっしゃっているのを見ましたが、まさにその通りだと思いました。
話す技術や伝え方を話し手として上げなければいけないわけですけども、聞き手によっては聞こえてくるものがまったく違う。英語を例にしても、耳なれないと二つの単語がくっついて違う音に聞こえるけれど、勉強していくと一つ一つの単語が聞こえるようになるでしょう? 日本語でも「これをこうしてね」と何点か説明したものを、聞こえない人と、聞こえて行動に移せる人がいる。コミュニケーションて、話し手と聞き手、双方の力量でずいぶん違う。難題だなあと日々思うんですけど。
- 枝廣
そうですよね、特に通訳をさせてもらって何千というスピーチを目の当たりにして思うのは、良いコミュニケーションをするためには、少なくとも3つの要素があると思います。まず、
1.伝えたいという気持ちがあること。それなしにやってる人もいますね。朝礼で順番だから挨拶するとか。
2.伝えたい内容がある人。政治家たちは、伝える内容はないけれども、その場で伝えること自体が重要という人もいますよね。もうひとつが、
3.伝える技術。話し方を論理的に、とか適度なスピードとか、そういう技術論もあります。でも、多くの人に欠けているのは、自分が伝えたくて話してるはずなのに、相手がどういうふうに受け取っているかというのを感じない、その感受性を持っていないこと。もしくはそれを使おうとしていない。
たとえば、講演で、聴衆が頷いていても、本当に頷いているのか、形だけ頷いているのか、なんとなくわかるじゃないですか。それがわかれば、もし形だけなら、ちょっと言葉を言い直してみたり、違う例を出してみるとか、相手に合わせて話し方を変えますよね。でも、「ああ、頷いているからいいや」と、それが本物かにせものかも気にしないで、とにかくしゃべるだけでは、やっぱり一方通行だと思うんですね。
- 佐々木
わたしもね、トレーニングの通訳もしていたので、その機微みたいなものは訓練されてたと思うんです。人の動きをみて、心がわかるようなところがあって、それがプラスに働くときとマイナスに働くときとがある。講演などでで聴衆の聞き方でグンと話す気がうせることもあるんですが、枝廣さんは、そういうのはないですか?
18/19
|
 |
|
|