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関根千佳さん
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バリアフリーとユニバーサルデザインの違い
- 佐々木
競合は少ない?
- 関根
そうですね。日本では、私たちのように障害を持つ方とたくさん接してきたっていう専門家が少なすぎるんです。
- 佐々木
それも逆に、なんか変な感じですよね。
- 関根
そう。そこなんですよ。だから当事者である社員たちは、自分たち自身の経験から次の世代を育てる、っていう方向へ進みつつあります。自治体が設立した障害者NPOの支援をしたり、大学で教えたりしています。早く私たちの会社を超える当事者の企業がたくさんでてきてほしいですね。
- 佐々木
基礎的なことですが、ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いを説明してくださいますか。
- 関根
そうですね。結果はよく似てくると思いますが、デザインコンセプトの考え方がちょっと違うものなのです。
バリアフリーっていうのは実は海外では今や、ほとんど使われていない言葉です。健康な成人男性が使いやすいようにデザインされたものは、それ以外の人にとってバリアを内包している可能性があります。女性や、子どもや、障害を持つ人や、高齢者や、旅行中の外国人からすると、使いにくいっていう部分がいっぱいある。それがバリアなんですね。そのバリアを外す、フリーにするデザインアプローチを、バリアフリーデザインって呼ぶんですね。バリアを後からはずすので、コストもかかるし美しくない。
そうじゃなくて、デザインの最初の段階から、誰にでも使いやすいようにするのが、ユニバーサルデザインです。たとえば駅や建物、公園を、ベビーカーにも、小さい子どもでも、妊産婦でも、お年寄りでも、外国から来た人でも使いやすいようにする。
そのような感覚で、身の回りのもの全て、街や物や情報を作っていこうよと言う考え方です。たとえば高齢者や視覚障害者にも最初から読めるように、ホームページを作っておこうよって。そういったことを考えるのが、ユニバーサルデザインのコンセプトなんです。
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