ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第56回 関根千佳さん

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関根千佳さん
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ユニバーサルデザインとユビキタスの出会いで社会が変わる
- 佐々木
いろんな人が考えていくっていうのが必要なんですよね。
- 関根
そうなんですよ。それがたとえば、自分が先々そういうふうになった時に、「でも、いろんな工夫があれば元気に生きていけるじゃん」っていう明るい未来をも知らせることにもなるでしょ。
ユビキタスを使えば、たとえば携帯電話で自分に必要なICタグが読めれば、駅とかでも各所に点字が打ってある必要はなくなるかもしれない。
携帯電話をスッと出したら「こっちが出口です」っていう一文が自分の携帯に出てきて、自分のニーズに合わせて、視覚障害者だったら点字で読めたり、音声で聞こえたり、耳の聞こえない人だったら画面にテキストで出る。そんなふうに変更できるわけですよね。そういったものを作りたいんですね。
- 佐々木
そうか! ユビキタスって、ものすごくユニバーサルデザインをサポートするんですね。
- 関根
ええ、そうなんです。だから、もしかすると外国から来たお客様でネパール語しか読めない人だったら、どっかサーバー飛ばしてですね…。
- 佐々木
ユニカルインターナショナルが訳してあげればいいんですよ(笑)。
- 関根
そうそう、できるんです。そういうこと。ユニバーサルデザインっていうのは一見、高齢者や障害者のためにかわいそうだからやってあげるっていうイメージにとられやすいんだけど、本当はまったくそうじゃなくて、ニーズが大きな人のために開発した機能を、ごく普通に使えるように製品に埋め込んでおくことによって、実は関係するものすごく大きな市場をごっそりとれるっていう魔法の杖なんです。
- 佐々木
そうですね。
- 関根
気がついている企業は気がついています! ユビキタスも同じで。たとえば、海外から日本に来たお客様のために作っておいたセンサーや表示の機能は、私たちが別の国に行ってその国の言語のものを見たいなっていう時にも使えるかもしれません。
多様なユーザーのために作った機能が、輸出できる製品に化けるとか、いろんな可能性があるんですね。ユビキタスとユニバーサルが出会う時っていうのは。
- 佐々木
すごい出会いなんだ。これから数年、5年くらいがすごくおもしろい時ですね。
- 関根
おもしろいと思いますね。ユビキタスがユニバーサルになっていけば、すごくおもしろいですよ。だからユビキタスの研究者にユニバーサルデザインの概念を理解していただくっていうのはものすごく大事なんです。
- 佐々木
先日、イー・ウーマンサーベイで「バリアフリーな人ですか?」とデザイナーの松井龍哉さんが尋ねたら、47%がイエスでした。今日のお話が、IT技術の中で私たちの生活をより良くしてくれるのを楽しみにしながら、私たちの心の中のバリアを取って、ユニバーサルでいられるよう切磋琢磨したいと思いました。ワクワクするお話ありがとうございました。
対談を終えて
今の社会に大切なことをいつも笑顔でさらりとやってのける関根さん、大好きです。テーマも幅広く、とても対談時間内では終わらなかったので、これからの社会を画期的に動かすユニバーサルデザインとユビキタスの関係については、またぜひ後日もっと教えてください。でも何より今肝心なのは、私たち、一人ひとりのマインドがユニバーサルになっていることですね。
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