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池上 彰さん
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父親に反発して、銀行員にはなりたくなかった
- 佐々木
慶応で経済を勉強され、その後NHKというエリートを歩いて……。
- 池上
エリートじゃないんです。世の中の人が勘違いしているんですけど、私の世代のマスコミっていうのは、まともな企業に就職できない連中が入ってたんですよ。そこがわかっていない。今、なんかマスコミってエリートの、まるでエリート集団になっているけど、あの頃は違うんです。花形でもなかった。
- 佐々木
そうですか?
- 池上
お前、慶応の経済出て、何で銀行や商社に行かないわけって。何でって……。
- 佐々木
何でだったんですか?
- 池上
それはもちろんマスコミが好きだったわけですけれども。何でね、そんなやくざな世界に入るの、っていうような話が一般的でしたよ。親父は銀行員でしたから、やっぱり親父に反発するから銀行員だけはなりたくないという思いがあったんですね。
でも実は大学時代、某銀行から奨学金もらってましたから、そこの銀行から試験を受けませんかって聞かれましたけどね。断りました。
- 佐々木
え? それは断ってよかったものなんですか。
- 池上
ええ、なんかね、断りにくかったですけどね。すいませんって言ってお断りしましたけど。
- 佐々木
お母さんもお仕事されてたんですか。
- 池上
専業主婦でした。
- 佐々木
池上さんのおうちでは皆さん、話し方が上手ですか。
- 池上
そんなことないですよ。やっぱり父親なんかもすごい話し下手ですよね。内向的で引っ込み思案で、やっぱり家で静かに本読んでるほうがいいみたいなタイプですし、母親はずっと専業主婦だから、社会性がないから、説明が訳わからないっていう典型的な母親でした。
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