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アシハラヒロコさん
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持てる人に、日本の文化も継承していただきたい
- アシハラ
その若い起業家の方たちが大金を手にして、これから家を作ろうとしたときに、いろいろなことを、私にできる限りお手伝いしたいと考えています。京都とか東京の最高級の美術商にお連れしたり、食器までお選びしたりって、こういうものをやって家を作っていく。
- 佐々木
その家にあった、そのレベルの人になるように家を育てる、ってことですね。
- アシハラ
私ね、その方たちは持てる方たちなわけだから、いいものを持って日本のいいものをちゃんと残してってくれなきゃ、って思っているんですね。だから、茶室を本格的に、例えば京都の最高級の数奇屋の大工さんに作ってもらったりする。それも、もてる方にやっぱり日本の文化をつないでいってもらいたいと思っているからなんです。
もちろん日本の文化だけじゃなくてもと思いますけども、やっぱり今、戦後の日本の高度経済成長のときに西洋のものが入ってきて、アルミサッシや新建材が入り、この気候風土で密閉された空間ができて子供たちが総アトピーになり、総アレルギーになりっていう中で、日本の文化ってなんだ、日本の住文化ってなんだったっけ、って。
- 佐々木
そうですよね。住まいの要素って、大きいでしょうね。
- アシハラ
洋の暮らしの中にきちっと日本の文化を解いて、日本の文化を残していかなければならないという思いがある。で、西洋の人たちは本当に日本の文化に対して憧れているから、日本人より日本人的なデザインをしたりするのね。
で、なんで日本人ってもっと文化をうまく残せていけないの、という、それを住文化の中で残せていけないのかって、それが私には礎になっている。
日本の住文化の発展のちっちゃな石になれればいいなあというふうに思っているところがあるので、日本的な素材であったりとか、おさまりであったりとかを大切にしています。日本建築には床の間があって、わびさびのすんだ世界、すばらしいと思う。また、日本の家の中には仏壇があります。先祖を敬うことで子供たちが親を敬うことを覚えることを自然にできるように配慮していきたいとも思ってる。
- 佐々木
もともとは建築家になろうと思っていた?
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