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パトリック・ダヴィッドさん
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4回落馬して、村人たちに笑われました
- ダヴィッド
その上、自由に動き回りたくても、「ソ連との国境に近いからそっちには行くな!」と言われ、また雪が深くて動けなくなった冬場には、「一生ここから出られないのではないか?」と真剣に考えもしました。さらに当時はまだソ連軍のヘリコプターを使った空爆が続いていたので、とにかくエンジン音が空から聞こえてきたら、「危険だ! 隠れろ!」と逃げ回っていました。
- 佐々木
どこに逃げるんですか? 防空壕でも?
- ダヴィッド
空からエンジン音が聞こえたら、その場でかがみこんで、砂色の布を頭からかぶって、ヘリコプターが飛び去って行くのを待つのです。
帰国後、緊急治療医として一度ヘリコプターに乗る機会がありましたが、本当に動かない限り、空からは地上の人間と木を区別することは難しいということを知りました。
ですから、空から攻撃されそうな場合には、絶対に走らないで、その場にかがみ、布を頭からかぶって敵が去っていくのを待つのが一番なのです。
- 佐々木
わかりました。現地の人たちとの会話などは覚えていらっしゃいますか? 食事を共にした家族とか……。
- ダヴィッド
現地の人たちと一緒に、よく笑ったことは覚えています。特に馬の群れの移動を手伝っていたときに、私は4回も落馬してしまい、その時ほど大笑いをした現地の人たちをみたことはありません(笑)。
- 佐々木
ご自分の手術をしなくてはならないほどの怪我ではなくてよかったですね!
- ダヴィッド
私が落馬したり、何かを壊したりするのを見て、みんな大笑いをしていました。
- 佐々木
その頃ダヴィッドさんはまだ30代だったのですね?
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