ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第76回 三富 正博さん

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株式会社バリュークリエイト パートナー 公認会計士、米国公認会計士
三富 正博さん
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裏側には、数字がある
- 佐々木
企業価値と知的資産がお得意ということですね。そこが、たぶん、他との違い。
- 三富
僕らが普段話している裏側には、常に数字があるんですよ。実際にアドバイスしているときも、こんな感じで全然数字の話しが出ないで進めていくんだけど、その裏にはぜんぶDCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)モデルが組み込まれているの。
- 佐々木
そうですね。そこはやっぱり本当のバリューですものね。
- 三富
そうですけどね。でも、面白いのは、こういう一見抽象的な話とDCFのエクセルのシートっていうのは、実は凄く相関関係があるんですよ。
- 佐々木
へえ。
- 三富
なぜかっていうとね、企業価値のうち当年度のDCFから出てくる価値の割合っていうのは、企業価値全体の2〜5パーセントしかないんですよ。それはどういうことを意味しているかって言うと、「今年度の業績を一生懸命に上げるためだけに働いていると、それっていうのはまったく意味がない」っていうことを意味しているんですよね(笑)。それって、すごく僕、いい話だなと思ってね。
じゃあ、企業価値の大きな部分はどこから出てくるかっていうと、5年とか10年以降から出てきているんですよ。そこが半分以上出てきているわけ。で、僕らはそこを「長期的な価値」とか、あるいは「文化」って呼んでるんです。だから、企業の文化っていうのが生み出す価値っていうのは、企業価値の多くの部分を占めるんですよね。
で、あとは「中期的な価値」あるいは「戦略の価値」ということで、3〜5年ぐらいの価値っていうのは大体2〜3割ぐらいなんですよ。
だから、それってすごく合理的だなと思うの。たとえば、「今日だけのためとか、当年度のためだけに働いていることっていうのは、まったく意味がないんだな」っていうのは、僕らがこういうふうにお話しているメッセージと同じなんですよね。だから、「経営者のワクワク(情熱)や大きな夢が大切だ」とか「会社の価値観が大切だ」とか「会社の戦略が大切だ」っていうのは、本当に、DCFモデルに落とし込むとそういうふうになっているっていうことなんで、そこを逆にどうにかして世の中に伝えたいなっていうのはあります。
- 佐々木
すごくよく分かります。すごくすっきりしましたね(笑)。
- 三富
(笑)ありがとうございます。よく言われるんですよ、実は(笑)。「バリュークリエイトの価値は、ミーティングしたあとに頭がすっきりすることだ」とか「元気になる」って。
- 佐々木
こちらこそ、ありがとうございました。また、続きを定期的に(笑)しましょうね。
対談を終えて
「生真面目」とおっしゃる部分と、いつも自分らしさをしっかり守ってリラックスして行動している部分の両面を持つ三富さん。アンニュイなようで、キャッシュフローからのしっかりした提案。私にとって、三富さんは大切で、不思議な存在なのです(笑)。でもなんと言っても魅力は、いつも笑顔でムードが変わらないところでしょう。対談中だけでなく、その前後もずっと楽しそうでした。対談中は私の気持ちを考えて説明しようとする生真面目さも見えて。……長くお付き合いする中で、どんどん味が深くなるタイプの方なんだろうな、って想像しました。だから! これからも末永くご指導下さいね。
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