ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第86回 高橋 伸子さん

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高橋 伸子さん
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どういう会社だろう
- 佐々木
1年!?
- 高橋
正社員は1年弱ですけど、専属の社外記者という形で9年。合計10年働きました。今思えば、若いときから「社外」向きだったのですね。自由に泳がせてもらって、外から風を送る。
- 佐々木
それも当時としては、新しい働き方だったでしょうね。
- 高橋
ええ。主婦の友という会社は、女性誌が看板の会社ですし、女性が6割、男性が4割。でも私が入った時には、女性編集長は一人もいなかった。「とんでもないな」って思いました(笑)。「ここで上りつめる事はできないんだな」と。
- 佐々木
じゃあ、高橋さんは大学を出て仕事をする時から、上のポジションで、きちんとキャリアを積もうという、しっかりしたキャリア志向というのをお持ちだったという事ですね。
- 高橋
なかったです。
- 佐々木
え? なかったんですか?
- 高橋
つまり作家になりたいだけ。私は自由人志向(笑)。でも、入った以上、「この会社ってどういう会社だろう?」って知りたかった。好奇心が非常に旺盛なので、いろいろ見てみて、考えるわけです。それまでは男女平等だと思って……。
- 佐々木
生活していますものね、大学まで。
- 高橋
子どもの頃から1つ上の兄と対等に生活してきたのに、就職で突然、差別を知り、入社後も昇進の道は閉ざされているという事を知り……。
- 佐々木
「やっぱり作家しかない」と思うわけですね(笑)?
- 高橋
岩波書店は育児休暇制度ですけど、主婦の友社の場合は、主婦のOGを活用しようという珍しい会社だったんですね。その後のことですが、子育て中は辞めて、再雇用で役員まで上りつめた先輩が、一つの成功モデル。
- 佐々木
面白い。退職して、主婦を経験してから戻ってくる?
- 高橋
そうです。で、私も同じような道を歩みそうだったんですけれども、10年目に「どうですか?」って聞かれた時に、もう9時5時の世界には戻れないと確信しました。「好きな分野を取材して執筆活動をしたい」と思いましたので、独立宣言をしまして、今のスタイルを選んだのが32歳の時でした。
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