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伊藤元重さん
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「血液検査しなければ、保険に入れない」なんてどうでしょう
- 伊藤
もう1つ成功したと思うのは、これも私、関わっていると思うんですけど、森内閣の時にIT戦略会議というのをやりました。その時に日本でADSLにつながっている人が2,500人ほどしかいなかったと言われていました。で、韓国は35万人つながっている。それは2000年の夏なんですけどね。
その時に、中で喧々囂々議論して、一番のポイントは、NTTだけじゃないんですけど、既存業者のネットワークに他の業者がつなげられるという仕組みをやろう、と。それが結果的にうまくいって、あっという間に日本中のネットワークがブロードバンドになって、今や、光の方に来ているわけです。そのインパクトはすごいもんですよね。ですから、そういう意味では、制度改革をしてやると、いろんなことができるんじゃないかと思うんです。
例えば、医療なんて面白いと思うんです。これはNIRAのホームページにも出ているんですけど、昭和36年に国民皆保険制度が確立して、その時にどういう状況にあったかというと、感染症が多かった。つまり日本人は、当時は栄養状態が悪かった。だから、結核が一番象徴的なんですけど、感染症になりやすかった。それで、病気になった時に守るために、国民皆保険だ、と。
でも、今はどういう事が起こっているかというと、私も含めて、みんな、血がドロドロなんですよ。つまりこのまま行くと、生活習慣病で、どんどん医療費が増えてしまう。じゃあ、どうしたらいいかって、もう簡単なんですよね。「3カ月に一遍、血液検査をしない人は、保険には入れない」と。血液検査してコレステロールが高いと、みんな、反省しますよね。
さらに言えば、点数のいい人は保険を安くする。だって、点数がよかったら病気になりませんからね。で、私はたぶん失格だと思うんですけれども、でも、その私も、去年より今年の方がよくなれば、保険料が安くなる、と。
そういうことを1つやっちゃうと、たぶん、ものすごく変わると思うんですよ。それは単に、病気になる人が、私なんかも、もうちょっと運動するようになって、薬のお世話になるのが先になるかも分かりませんけど、それよりも健康維持とか健康チェックとかというところに非常に大きなニーズが出てくる。これはもう、マーケットにとって非常にいいと思うんですね。だから、イー・ウーマンのサプリも、きっともっと売れるようになると思いますけど。
- 佐々木
「メロンリペア」(笑)。そうですね。あれは生活習慣病予防ですね。
- 伊藤
だから、そういう、いろんなところを改革していくっていうことが、おそらく、今言った資源を有効活用する第一歩だと思います。
20/26
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