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正しい知識をもつ子の性行動は遅い
海外では性教育がきちんと行われているというが、国々での事情はどのようになっているのだろう。
おそらくもっとも成功しているのは、おそらくスウェーデンとオランダです。この2つの国は望まない妊娠率が低いんですね。さらに、10代で子どもを産んでも、子どもを預けながら学校に通ったり、仕事ができる社会の体制があります。自分や夫だけでなく、子どもはみんなに育ててもらうという意識が普通になっているのです。
「望まない妊娠率が低い」というのは性教育の成果のひとつですが、データとして計れない、子どもの性意識というものがあります。この2つの国にでは、きちんとした性教育を始めてから3代目ですが、3歳なら3歳なりに、10歳なら10歳なりに性に関することを理解していて「私はこうしたい」ということがはっきりしています。たとえば、10代でも「私は子どもがたくさん欲しい」という子もいるし、「まず勉強して、そのあとで子どもを産もう」とか、小さいなりに自己決定している子もいます。
さらにおもしろいことに、正しい知識を吸収した子は、男の子も女の子もかえって性行動に対して慎重になるので、性行動の開始年齢が上がっているんです。
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