サプリメント先進国といえる米国では、科学データの提出義務や情報提供などが細かく定められた「栄養補助食品健康教育法(DSHEA)」が1994年に成立しています。医薬品のように病名を挙げて効能を告げることはできないまでも、症状を明示して効果を伝えることができるようになっています。
一方、日本では、サプリメントに対しての明確な基準がまだありません。しかし、サプリメントの中には、厚生労働省により保健に役立つ効能が認められた「特定保健用食品」(2003年3月現在で336製品)、不足したビタミンやミネラルなどを補う食品として、成分や機能の表示を認められた「栄養機能食品」に認定されたものもあります。また、日本健康・栄養食品協会の規格基準に適合した健康補助食品につけられる「JHFA」というマークが付けられた製品も存在します。
しかし、いずれも一部の製品しかカバーされていません。また、市場にはさまざまなサプリメントが氾濫し、どれを選んでいいか迷うところです。選ぶ立場のわたしたちが自分で厳しい選択眼を持って臨まなければ、せっかく健康のためを考えて買った商品がまったく役立たず、お金の無駄遣いとなりかねないのです。
そこで、ここではサプリメント選びに役立つ4つのポイントを紹介します。
- 1.
成分と含有量が表示してあるか
- サプリメントに、何が配合されているか、すべての成分を公表しているかどうか、パッケージや説明書をよく読みましょう。単に成分のみでなく、主要成分がどれだけ含まれているか、その含有量まで記載されているかどうかもチェックしましょう。
- 2.
天然栄養素であるかどうか
- 天然成分は、最も人体に吸収されやすく、カラダに対する負担も少ないものです。化学的に合成した栄養素や人工的な栄養素が増えるほど、カラダにとっては異物となり、せっかく健康のために摂取したにもかかわらず、かえって人体に害を与えることにもなりかねません。ですので、保存料、着色料、香料、防腐剤などの余分な成分が含まれていないものを選びたいものです。
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- 3.
主要成分の効果や機能が、化学的データや食経験により証明されているか
- 化学的に効果を証明するためのデータがあるか、長い期間の食経験を経た成分なのかをよくチェックしましょう。長い間、人々に食されてきた原材料は、それだけ信頼に足るために生き残ってきており、カラダに悪影響を与える成分は淘汰されていると考えてよいでしょう。その上で、臨床実験や化学的な分析によって効能や機能が証明されていれば、さらに信頼できます。
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- 4.
成分がバランスよく配合されているかどうか
- ビタミンやミネラルは単独で人体に作用するわけではありません。たとえば、ビタミンDはカルシウムと一緒に摂取することで、カラダに吸収されやすいことがわかっています。このように、必要最低限の組み合わせができているサプリメントなのかどうかを確認しましょう。この組み合わせによる作用を、相互拮抗(きっこう)作用といいます。