<1ページ目からの続き> ……東京証券取引所一部上場企業は、そもそも227社しかなかったからです。つまり、全企業の平均だったのですね。 が、翌年になってキリのいい225社に。225社の株価を合計し、それを225で割る、という単純なやり方でした。これは、まさに「平均株価」です。 「株の分割」が影響する しかし、そのうちに、この計算方式では追いつかなくなる事態が起こります。株の分割です。どういうことなのでしょうか。 株式会社は、自社の株をなるべく多くの人に買ってもらえるようにするため、株の分割をすることがあるのです。 株価が上昇すると、株を買うのに資金がかかりすぎるようになりますね。ある会社の株が500円だったとしましょう。株を購入できる最小単位は1000株のことが多いので、この会社の株を買うには、少なくとも500円かける1000株で、50万円の資金が必要になります。 株を買うのに最低でも50万円が必要となると、誰でもが気軽に買えるというわけにはいきません。こういうときに、その会社は、たとえば1株を2株に分割してしまうのです。要するに、発行株数を倍にするのです。 これまで発行していた株数が100万株だったとしますと、発行株数は200万株に倍増。もしあなたが1000株を持っていたら、株数は自動的に2000株になるのです。 でも、この会社の価値に変化があったわけではありませんから、1株当たりの値段は、半額に下がります。この場合、1株が500円から250円に下がってしまうのです。この結果、この会社の株を買う人は、250円かける1000株で、25万円出せば株を買うことができるようになります。 一般的には、株の分割は1株を2株か3株程度にすることが多かったのですが、とかく話題になることをめざすライブドアは、2003年に1株を100株に分割するという手法をとり、一躍有名になりました。 もっとも、ライブドアが上場しているのは、新興企業の市場と言われる「マザーズ」で、東京証券取引所一部上場ではないのですが。 「指数」の意味を維持するために このように株の分割が行われると、平均株価を計算する上では、困ったことになります。だって、……
池上彰の 『解決!ニュースのギモン』