<1ページ目からの続き> ……「3つのことを一緒に行う」という意味で使われるようになりました。宗教とは関係なく使われています。 小泉内閣は、「郵政民営化」とは別に、地方分権を進めるスローガンとして、この「三位一体の改革」を掲げ、「3つのことを同時に行う」と言っているのです。では、「3つのこと」とは何でしょうか。 1 国から地方への補助金を4兆円減らす。 2 国が集める税金のうち3兆円分を地方が集める税金に移す。 3 国から地方に配分する地方交付税を見直す。 この3つのことをいっぺんに行うというのですが、これを順番に説明するとわかりにくくなるので、順番にこだわらず、国と地方の財源の仕組みをまとめて解説しましょう。 「国が集めて地方に渡す」仕組みがある 私たちが納める税金には国税と地方税がありますね。でも、税金の多くは国税です。国と地方の税収の割合は、ざっと6対4です。ところが、使うお金の割合は、4対6と逆転します。当然のことながら、地方自治体の多くは、自分たちで集める税金だけでは足りません。 そこで、お金の足りない地方自治体には、国が援助します。これが「地方交付税交付金」です。むずかしい名前がついているのでわかりにくいのですが、要するに国から地方への援助金です。 国から地方への援助金は、これだけではありません。もうひとつが「補助金」です。 地方自治体が公共施設を建設する場合、その費用の一定割合を……
池上彰の 『解決!ニュースのギモン』