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池上彰の『解決! ニュースのギモン』
〜イー・ウーマンリーダーズの「?」に答えます〜
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第36回(4) 2006/08/22
レバノンはどんな国?
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アメリカ軍が逃げ出した

 レバノンでの内戦の激化を見兼ねた国際社会は、治安維持のためにアメリカ軍やフランス軍が駐留します。しかし、これをヒズボラが自爆テロで攻撃します。特に1983年には、アメリカ海兵隊の宿舎に、爆弾を満載したトラックが突っ込み、自爆。アメリカ兵240人が一瞬のうちに犠牲になりました。

 また、アメリカと共に軍隊を派遣していたフランス軍やイタリア軍も自爆テロで犠牲を出します。

 これをきっかけに、1984年、アメリカ軍をはじめ各国の軍隊はレバノンから撤退します。ヒズボラは、「アメリカ軍を追い出した組織」として、アラブ社会での名声を確立しました。

シリアの実質的な支配下に

 実は、レバノン内戦に乗じて、東隣のシリアもまた、レバノンに軍を展開し、介入していました。3万人の軍をレバノン国内に駐留させ、アメリカ軍などが撤退した後のレバノンに親シリア政権を樹立し、内戦を終結させました。

 一方、イスラエル軍はその後も南部に駐留を続けますが、ヒズボラによるたび重なる攻撃で被害が激増し、2000年にレバノンから撤退しました。

シリアを追い出した

 こうしてレバノンには“平和”が戻ってきました。2005年2月には、反シリアの立場だったハリリ元首相が何者かに暗殺されます。この事件は、国連が調査団を送って第三者の立場から捜査した結果、シリアが暗殺を命じたものであることが判明。レバノン国内で反シリアの運動が高まり、国際社会もシリアに対してレバノンから撤退するように要求しました。

 シリアは、これに抗しきれず、2005年4月、軍隊をレバノンから完全撤退させました。その後、レバノンには反シリアの政権が誕生し、レバノンは安定へと向かっていたのです。

 ちなみに、国連調査団には日本の警視庁の鑑識課の刑事2人も加わり、暗殺に使われた自動車が、日本で盗まれたものだったことを突き止めています。

 レバノンの国としては安定・平和に向かっていたのですが……
 
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池上彰(いけがみあきら)プロフィール
松本市出身。1950年生まれ。
慶応義塾大学卒業後、1973年NHK入局。報道記者として、松江放送局、呉通信部を経て東京の報道局社会部へ。警視庁、気象庁、文部省、宮内庁などを担当。1994年より2005年3月までNHK「週刊こどもニュース」でお父さん役を務める。2005年3月にNHKを退社し、現在はフリージャーナリストとして活躍。
著書に『そうだったのか!アメリカ』『そうだったのか! 現代史』『相手に伝わる話し方』『池上彰の情報力』など多数。

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