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池上彰の『解決! ニュースのギモン』
〜イー・ウーマンリーダーズの「?」に答えます〜
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第45回(4) 2006/11/21
教育基本法改正は何のためか
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「我が国と郷土を愛する」「態度を養う」

 教育基本法を変えることをめぐって、最も論議を呼んでいるのが、「我が国と郷土を愛する」という部分です。教育基本法改正案の第2条第5項は、こうなっています。

「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」。

「平和と発展に寄与する態度」とは意味不明ですが、その前段では、「我が国と郷土を愛する」という「態度を養う」ことになっています。

 ここが、大きな論議を呼んでいる部分です。愛国心というのは、法律で強制すべきものではない。「心の内面」の問題だ。心の内面に法律が介入してはいけない。

 これが、改正案に反対する意見です。

 教育基本法は、日本の教育の方向を定めるものですから、学校現場では、教育基本法の規定を実践することが求められます。「我が国と郷土愛する」「態度を養うこと」と定められていれば、その態度が養われているか、達成度を検証しようということになります。通知表に、「我が国を愛する態度」という項目が入り、その成績をつけるような時代が来るかも知れません。基本法に定められれば、そうなっていくのです。

 こうした方向に対して危惧を持つ人たちがいるのです。もちろん、その一方で、「国民として国を愛するのは当然のことだ」という意見もあります。

「義務教育は9年」の規定が消えた

 現行の教育基本法では、第4条で、「国民は、その保護する子女に、9年の普通教育を受けさせる義務を負う」とあります。

 ところが、改正案では、この項目が消えました。その代わり、第5条で、「国民は、その保護する子に、別に法律で定めるところにより、普通教育を受けさせる義務を負う」となっています。

 つまり、別の法律で、義務教育を何年にするか定めることになっています。現行の学校教育法に、小学校は6年、中学校は3年と明記してありますから、とりあえずは変化がないのですが、将来、学校教育法を改正すれば、義務教育の年限は自由に変えられることを意味します。

 成績がよければ、義務教育を7年か8年受けるだけで、上の学年に「飛び級」できる仕組みを簡単に作れるようになっているのです。

 改正案で議論となっている点に……
 
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池上彰(いけがみあきら)プロフィール
松本市出身。1950年生まれ。
慶応義塾大学卒業後、1973年NHK入局。報道記者として、松江放送局、呉通信部を経て東京の報道局社会部へ。警視庁、気象庁、文部省、宮内庁などを担当。1994年より2005年3月までNHK「週刊こどもニュース」でお父さん役を務める。2005年3月にNHKを退社し、現在はフリージャーナリストとして活躍。
著書に『そうだったのか!アメリカ』『そうだったのか! 現代史』『相手に伝わる話し方』『池上彰の情報力』など多数。

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