>
【第27回】「身につく英語学習法」とは?
英語学習挫折体験記
おそらくわたしは典型的英語挫折者だと思います。
大学時代の某大手英会話スクールに始まり、社内英会話教室を経て、通訳翻訳学校に2年通うも、妊娠・出産で中断。その後は翻訳の通信添削などをしていましたが、年子の出産・育児で断念。再就職で外資系アパレルに入ったのを機に、英会話の個人レッスン・ビジネス英語クラスに通ったりしたものの、先生が帰国し、中断……。
TOEICではどうしても730点が取れないまま、現在は英語にまったく関係のない仕事のため、何もしていません。英語に一体いくら投資したんだろう……。そもそも何でわたしはこんなに英語を勉強しなければいけなかったのか?
そんなわたしに地域ボランティアのお声が掛かりました。「子どもたちに英会話を教えるアシスタントをやりませんか?」と。先生はプロの通訳さんなので、わたしはちょっと気楽。これを機会にほこりをかぶっていたテキストやテープを引っ張り出すつもりです。(まりい)
相手の目を見て伝える
ご意見とてもおもしろく拝読しました。わたしはいわゆる帰国子女で、アメリカの中学、高校に通い、その後英語だけでなくフランス語とスペイン語も学習した経験があります。勝手ですが、わたしは言葉の種類は、次の2つのタイプに分けられると思っています。
- トレーニングを必要としない言葉
- トレーニングを必要とする言葉
(1)は現地の人が話している言葉で、子どもが親や近所の人、友だちとの交流や、テレビの視聴などで身に付けられるたぐいのものです。若者言葉やスラングなどもこれに入ると思います。(2)は敬語や文語、ビジネス用の言葉遣いなど、文法的に正しい言葉です。
日本人は英語(ここでは英語に限定して)学習について、(1)と(2)を混同して考えてしまっていると思います。つまり、中学から大学まで、どちらかというと(2)の文法や語彙(ごい)などを中心とする学習をしているのに、(1)を話せないと嘆いているのです。
(1)の学習には、非常に多くの会話の機会が必要となってきます。たとえば、「牛乳を少しください」という文でも10通りの言い方があり、いろいろな場面で話されています。これを聞いているうちに、いつの間にか覚えて、自分も使っているというような状況が理想的なのです。
わたしがアメリカの中学校でまったく英語がわからなかったころによく耳にした言葉が、「アイハフトゥー」でした。「〜しなくちゃ」という意味で使われているというのが推測(この推測できる技量は年代によって違いますが、大人のほうが有利なのでは?)できたので、辞書で“haf”を調べたのですが、載っていませんでした。ずいぶんたってから、もしかして“have”かも知れない! と気が付き、辞書で調べて“have to 〜”という構文を見つけたときの喜びは今も忘れません。日本人の場合、この(1)の経験なしに、いきなり(2)の方法で“have to 〜”という構文を覚えさせられるので、その喜びの部分がないのでしょう。
わたしも出張さんの意見に賛成で、一昼夜で身に付く方法なんてないと思います。わたしはある程度(2)で学習した人のほうが、おそらく早く身に付くと思います。それに加えて、実際に会話する機会があったらよりいいですね。
わたしがスペイン語の習得で実践した(2)の学習方法をご紹介します。たとえば、前述の“have to 〜”構文ですが、きっとスペイン語にも似た表現があるということはすぐに推測できますよね。単語は覚えないと仕方がないので、朝から晩まで、身の回りにあるもの(たとえば朝ご飯のパン、ミルク、ジュースなど)や、自分の思考を、全部スペイン語に訳して頭の中で繰り返してみました。それに飲む、食べるなどの動詞を付け加えたり、おいしい、冷たいなどの形容詞を付け加えたりして覚えるようにしました。それから、仕事に行くときの電車の中で、「何時何分に電車に乗る」というように時間の言い方を練習しました。また、その日の予定や仕事のことなど、とにかくわからない言葉や表現があったらすぐにメモして、後から調べました。特に接続詞や前置詞につまることが多かったように思います。大人にはすでに自身の会話パターンのようなものができあがっているので、それを素直に英語にしていく方法を考えたらいいと思います。
長くなりましたが、しっかり相手の目を見て、伝えたいことを伝えるという態度をまず身に付けたいものです。(mamarin)