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ホーム > news & policies > 9.11が変えた「私」と「世界」

米国同時多発テロから1年 9.11が変えた「私」と「世界」

1年後のアメリカリポート from N.Y.
(ジャーナリスト、ライター 手代木麻生)

ewomanリーダーとして、事件当日より7回にわたり現地リポートを送ってくださった手代木麻生さん。今回の企画ではニューヨークの「今」を伺いました。アメリカに住む日本人としてだからこそ見えること、そして仕事を持つ女性として、「経済」という観点からみた9.11などについて、原稿をお寄せいただきました。

復興が進む街

グランドゼロ

グランドゼロ

世界貿易センター跡地

普段の生活の中では、目に見えるテロの影響はほとんど感じなくなりました。9月1日のニュースで、ジュリアーニ前ニューヨーク市長がグラウンド・ゼロを訪れて、グラウンド・ゼロの商業的開発に反対し、テロで亡くなった人たちのメモリアルとするべきだと言っていました。

街は、世界貿易センターがないこと以外、見た目には大きな変化は感じません。でも、人々の心の中にはさまざまな変化があったと思います。事件当時アラブ系アメリカ人やイスラム教に対する偏見が報道されましたが、テロの直後のような感情的なものは減ったと思います。個人的に見聞きすることもないし、私が知る限りでは、そうした報道はあまり伝わってきていません。

相手の価値観を知ろうという動き

グランドゼロ

グラウンド・ゼロの
周辺には亡くなった
人たちへのメッセージや
遺品が

私の印象に残ったことのひとつは、アメリカの大学でイスラム圏のことを学ぶ講座を設けるところが増えたということです。キリスト教を基盤とする欧米とイスラム教を基盤とする国々では、文化や価値観が大きく違います。今までは、日本も含めて欧米諸国はイスラムの文化や価値観をきちんと知ろうとはしてこなかったような気がします。

日本にイランからたくさん労働者が来て働いていたとき、イランという国やイスラムについて関心を持ち、彼らの文化について知ろうとした人は少なかったと思います。日本の3K労働の担い手としてしか見ていなかったのではないでしょうか。無関心は侮辱や偏見につながると思います。アメリカの大学でイスラムについて教えるところが増えたと知り、イスラムについて関心をもつ人が増えることはいいことだと思いました。

ナショナリズムの高まり

グランドセントラル駅

グランドセントラル駅

グランドセントラル駅の
掲示板

テロの後、街中に増えた星条旗を見て、はじめは違和感を覚えました。テロに対してアメリカ国民が一丸となって戦おうというメッセージのように思えたからです。でも、次第に、あの星条旗はテロで亡くなった人たちへの祈り、そして、親しい人たちを失って悲しんでいる人たちに対するなぐさめのメッセージだと思うようになりました。テロのあとしばらくして、「United. We Stand」というコピーをあちこちで見かけるようになりましたが、これもそのようなメッセージを伝えているような気がします。

日の丸を掲げて愛国心を示すことに対して抵抗のある私には、星条旗に素直な愛国心を託せるアメリカの人たちがうらやましく思えました。たまたま日本に生まれただけという気持ちがどこかにある私とは違い、アメリカ人の多くは自分で選んでこの国に渡ってきた人たちとその子孫。愛国心という点で、この差は大きいと思いました。

アメリカ経済への影響

ユニオンスクエア駅の構内

9.11のあと、
大規模な追悼集会があった
ユニオンスクエア駅の構内

現在のアメリカの景気低迷の一番の要因はITバブルの崩壊で、テロによる直接的な経済的打撃は、直後に心配されたほどは大きくなかったような気がします。私は仕事柄、マイクロビジネスやSOHOビジネスの経営者に取材する機会が多いのですが、みんな一様に、「テロによって一時的に売上が落ち込んだ」と言っていますが、客足もだいぶ戻ってきて、今では平年並みの売上に戻るまでもう一息というところまできているようです。

テロの直後は小さな旅行代理店が閉鎖したというような話もたくさんありましたが、最近は観光客も増えてきて、この夏はホテルの予約状況も平年並に戻ったようです。

自分自身の生活・心境の変化

ニューヨーク地下鉄

9.11で心に傷を負った
人たちのために
心のケアを行っている
団体のポスター。

9.11をきっかけにいろいろと考えるようになりました。2年半前にニューヨークに来たとき、私のニューヨークに対するイメージは、人種の多様性からくる多様な文化と価値観、芸術・文化・ファッション・ビジネスをリードする、刺激と可能性に満ちた街、といった、ひたすらポジティブで楽観的なものでした。しかし、この街で生活するようになって、次第にニューヨークが抱えるネガティブな面や矛盾も見えてきました。

その最たるものが富の偏在と貧富の格差です。ビル・ゲイツを輩出するアメリカには、時給2ドル程度(法律で決められている最低賃金は5ドル程度)で働く人たちもたくさんいます。私が住むブルックリンのサンセット・パークという地区には、中国とプエルトリコからの移民がたくさん住んでいます。友人のジャーナリストの話では、サンセットパークの住民の多くは工場労働者で、一週間の労働時間は60〜100時間、週給は160ドルくらいというデータがあるそうです。この低賃金は明らかに違法ですが、正規のビザがなく違法就労で働いている人たちはこれを訴えることができません。

アメリカは都市郊外では隣の家にも車がないと行けないような国です。地下鉄が整備されている一部の大都市は例外で、アメリカでは車は生活に不可欠。ですが、アメリカは車なしでは生活できない、というよりは、「車がなければ生活できないように作られた国」です。車と石油がどんどん売れるような仕組みが作り上げられているのです。単純な言い方をすると、アメリカという国は世界唯一の超大国となり、謙虚さを失っている、という気がしています。アメリカばかりでなく日本もそうだと思いますが、他の国や他の文化圏、次の世代の視点が欠けているような気がします。



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