イー・ウーマン藤田正美さんそれでもクジラを食べたいですか？

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会議番号:2401

それでもクジラを食べたいですか？

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【開催期間】
2008年03月17日より
2008年03月21日まで

円卓会議とは

このテーマの議長

藤田正美　『ニューズウィーク日本版』元編集主幹

YesとNoは40対60ぐらいですが、クジラを資源として絶滅させないように利用する（リリーベルさんの言い方を�……

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4日目までに届いている投稿から...

自然に生きる＝捕鯨もして良い。 (わかも・群馬・パートナー無・29歳)

私は人間も「自然に」生きていると考えます。他の生命より少し高い知恵を持っているだけです。その知恵を使って、自らの利のために地球環境に悪いこともする。化石燃料もやがては尽きるでしょう。しかしそれも自然なことです。おそらく将来の人間は化石燃料に代わる新たなエネルギーを作り出して「生きる」のです。「生きる」ためにすること＝「自然」だと考えます。鯨の話からはそれてしまいましたが、何事も無理に制御しようとせず、「自然に」生きればよいのではないでしょうか。

自然資源であり、自然の恵み (erigeneia・東京・パートナー有・29歳)

“手を加えてでも”現在の自然環境バランスを保とうというのが、現在の自然・環境保護です。その中では、アフリカ象も自然資源であり、バランスを取るために保護しているに過ぎません。もし、クジラの過剰な保護が他に影響しているのならば、捕鯨し、得たクジラは自然の恵みとして享受して良いと思います。勿論、資源として保護が必要であれば捕鯨をすべきではありません。ただ、保護することも自然への介入ですし、目指すべくは人間と自然の共生である雑木林のような関係を海と築くことだと思います。

これからも食べたいです。 (morrybond・長崎・パートナー有・47歳)

九州北部に住んでいるので、冷凍の刺身やベーコンなど、今は高値なので酒の肴ですが、昔は煮物でよく食べたりしてました。食卓にのると嬉しい食材です。日本の調査捕鯨は、現在許可されている頭数について行っているのでしょうから、シー・シェパードの「妨害行為」は一種の「リンチ」だと思います。ただ、確かに捕鯨問題は反対・賛成派どちらも感情的であると、キャスター藤田さんのコメントで初めて気がつきました。少なくとも賛成派の胃袋は理性を制覇しているのかなと思います。

食べたいか、食べたくないか (morico・オーストラリア・パートナー無・29歳)

正直食べた記憶がありませんので、私は「食べてみたい」が正確な表現かもしれません。「資源」とは何か。私は「有限なもの」と捉えますので、人間が生きるために食しているもの、使用しているもの、ありとあらゆるものすべてと同じで、クジラは資源だと思います。日本の捕鯨は、いわゆる石油を枯渇させる危機に直面するようなやり方では決してありませんので、他国によって、どうのこうの言われるものではないと私は考えます。

人間は生き物を食べて命をつなぐ (春夏秋冬・東京・パートナー無・37歳)

私はイルカも鯨も大好きです。でも捕鯨反対の声は、感情的に「かわいそうだから」とか「野蛮だから」と言っているように聞こえます。捕鯨で成り立つ文化や食生活に、代替案を提示しないで反対だけ唱えるのは説得力に欠けます。人間は他の動植物や生き物を食べて命をつなぎます。知能のある哺乳類は、クジラは、なぜ例外なのでしょうか？　与えられている物への感謝を忘れ無い事が出来れば、捕鯨は許されるべきだと思います。

クジラって食べたことないです。 (のむ姉・大阪・パートナー有・30歳)

資源として考えるべきかどうか、というのはよくわかりませんが、「コントロールされた捕獲はあってもいい」と私も思います。私は、クジラのお肉を食べたことがないので、国際論争になるほどの魅力がわかりません。でも、ただ捕獲しないよりも、ずっと食べ続けられるように、コントロールしながらの捕獲を続ける方が、人間と環境のつきあい方としては、自然なように思います。だれもクジラの味を知らなくなったら、あんまり大切にできなくなってしまうような気がします。

加減して使わせてもらう (リリーベル・埼玉・パートナー無・26歳)

私は、クジラは使う（使わせてもらう）量を制限するべき資源だと思います。絶滅も乱獲も避けて、利用方法があるなら有効活用したいからです。調べたところ、マッコウクジラは20種類以上の利用方法があるようです。食肉、機械油、くつクリーム、ホルモン剤、薬のカプセル、香水、口紅等です。加減して使わせてもらう資源という考え方はどうでしょうか。

なつかしいけど (ちゃぽらん・大阪・パートナー有・40歳)

小学生の頃、給食に「クジラ肉のノルウェー風」という献立がありました。味付けは良かったのですが、お肉が硬かったことを覚えています。家でも、ハリハリ鍋をよく食べましたが、今食べたいかというと、そうでもありません。私は食べたいとは思いませんが、牛・豚・鶏のお肉と同じで食べても良いと思いますよ。「かわいそう」なら、他の動物も同じです。

食べたいとは思わないですが (なゆた・海外パートナー有・)

クジラを特においしいと思ったことはないので、食べたいとも思いません。全世界の非難を受けるのならなおさらです。けれど、なぜクジラを捕獲することだけが批判の的になるのかが、理解できません。哺乳類の中でも知能が高いと言われているからでしょうか？　では知能が低い（とされている）牛や豚、羊、鹿、うさぎ、その他の哺乳動物ならいいのでしょうか？　他の動物は家畜として飼ったり、狩猟を楽しんで食べたりしているのに。クジラだけを問題にするのは偽善的だなあと感じたりします。

5日目の円卓会議の議論は...

「生物資源」を利用させてもらう

YesとNoは40対60ぐらいですが、クジラを資源として絶滅させないように利用する（リリーベルさんの言い方を借りれば「利用させてもらう」）ことにはあまり反対がないようですね。

「資源」かどうかというのは、人間が何らかの形で利用するかどうかということです。人類は長い長い歴史の中でほとんどすべての動植物（海洋生物はそうでもないかもしれませんが）を食べてみたのだと思います。その中から、食べられるもの、おいしいものを選び出し、そして食べやすいように品種を改良して栽培したり、飼育したりしました。もちろん食べるためにではなく品種を改良し、飼育したものもあります。猫や犬（一部例外もありますが）がその典型です。その他にも毛皮を取るためだけに捕獲して絶滅に近い状態に追いやった例もあります。

いま私たちが口にしているのは、ほとんどが栽培あるいは飼育されたものです。ただ前にも書いたように、魚などは養殖できるもののほうが少ないかもしれません。ブリは養殖のものもありますが、養殖サンマというのは聞いたことがありません。生き物は上手に利用させてもらえば（言葉にはやや抵抗がありますが）「再生可能資源」です。毎年種籾から苗をつくり、田植えをして米を収穫するような話です。再生可能であるということは、やがてなくなるということを心配しなくていいということです。

ただ魚のように野生のものを捕獲して食べることもあります。クジラも同様です。クジラの場合は、食用以外にも油をはじめさまざまな用途が開発されてきました。ヘビやワニの皮でバッグを作ったりするのと同じことです（ヘビやワニも「養殖もの」を使っているわけではないでしょう）。野菜のたぐいでも野生のものしかないのがマツタケでしょうか。トリュフもそうかもしれませんね。

その一方で、食べたりしないけれども、ハンティングの対象としておもしろいとか、家畜や作物に害をなすなどの理由で、殺されてきた動物もいます。オオカミがその典型でしょう。インドのトラなどもそうかもしれません。朝鮮半島にもトラが生息していたはずですが、今でもいるのでしょうか（加藤清正が朝鮮遠征のときにトラと闘ったという絵があります）。

人間は食べる動植物と保護する動植物を分けてきました。それは人が勝手にそうしているだけで、しかも地域によって文化によって、どう分けるかはずいぶん違います。牛を大事にするヒンズー教徒、ブタを食べないイスラム教徒などなど、どれがよくてどれが悪いということはできません。慣れているかいないかだけの違いです。その意味では、捕鯨を残酷だという見方も理解しなければいけないのかもしれません。

今回は「それでもクジラを食べますか」と挑発的な問いかけをあえてしました。それはこの問題を冷静に議論する場に多くの方に参加してもらうためでした。1週間やって投稿を読むと、食べたい、食べないというだけではない議論に発展してきたと思います。皆さんのご協力に感謝します。

藤田正美
『ニューズウィーク日本版』元編集主幹


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