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会議番号:2425

リストカットする心、想像できますか？

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【開催期間】
2008年04月14日より
2008年04月18日まで

円卓会議とは

このテーマの議長

志村季世恵　バースセラピスト、「こども環境会議」代表

我が子がリスカをするという辛い体験をしたことのある親御さんが4人集まったときのこと。当時の子どもを取�……

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3日目までに届いている投稿から...

子どもへ (yakuya・福岡・パートナー有・33歳)

私は中学時代に自傷行為の経験があり今でも心に闇を感じつつ、自問自答しながら頑張っている状況です。こんな私が我が子へ言っている事は「自分の気持ちを言葉で言いなさい」という事。親ですから見てれば分かる事はたくさんあります。でも、あえて言葉で言わせるようにしています。2、3歳の子です。言葉になるまでとても時間がかかります。でも、ずっと待ちます。そして伝えてくれたら、その事に真摯に答えるように努めています。良い事なのか分かりません。ただ私が子どもに伝えたい事なのです。

「KYでいいよ」という教育を (Lancer・東京・パートナー有・34歳)

著名な心理学者、河合隼雄氏もおっしゃっていますが、日本社会は「場」を「個」より重視するので、「いい子」がリストカットするのではないでしょうか。「場の雰囲気を壊さない」ことが「個の思い・感情」に優先させられるため、行き場のなくなった「個人の感情」がリストカットに向かわせるのではないでしょうか。日本社会では、もう少し「個」を重視してもいいのではないでしょうか。今の公教育のように無理に「平等」にさせたり、「空気を読む」ことを重視するのは良くないと思います。

適当さ（about）が大切 (ゆうまま☆・香川・パートナー有・33歳)

主体的な生き方のできる子を育てるのに必要なものは「適当さ（about）」ではないでしょうか。○○すべきという強迫性も大切ですが、それを緩めて、適当にやってみることも同様に大切と思います。適当さを子どもに身につけさせるにはまず親が適当なことを適当にやってみること。子どもの前で失敗したり、時には泣いて弱い部分を見せたり。そして、失敗や涙の理由を子どもに話す、親も弱いんだと子どもに理解してもらうことが大切と思います。

激高してしまう自分は嫌いですが (琴祐・埼玉・パートナー有・36歳)

イライラが募り、イスを投げつけ窓ガラスを割ってしまったのは20歳すぎ。母が怒りをストレートにぶつけてくる人で、それがものすごく怖かったのですが、ずっと親のいい子で居続けるなんてムリ。ときに誰かを傷つけてもいいから自分を爆発させる経験をどこかでしておかないと人間おかしくなってしまいます。「自分以外の誰かに感情をぶつけてもいいのだよ。心はそれほど弱くない。プラスマイナス両方あっていい」と大人がかつて子どもだったときを思い出し、子どもと向き合うことが大切だと思います。

高校時代も親には見守って欲しい (セプテンバー・ソング・神奈川・パートナー有・39歳)

自らはリスカの経験はありませんが、比較的優等生タイプでいた自分。似たような優等生だらけの高校に入り（私には非常に窮屈に感じた学校）、学校の成績が落ちたのは、クラブのせいだと辞めさせたり、塾に行っているのに何故？　という両親の態度。勉強する意欲が以前と比べ、なくなり自分に自信喪失して不安定な時は、たとえ年齢的に「もう子どもではないのだから」と突き放すのではなく、丁寧に気持ちを汲んで欲しかったなあ……　寄り添うことが大事だと感じました。

外に向けるか自分に向けるか (空まめ・東京・パートナー有・45歳)

誰でも怒りの命がどこかに存在していると思います。大人への怒りもそうでしょう。それは吐き出さなければ蓄積していく。昔は校内暴力でそれを吐き出し、それを無理やり沈静化させたために今度は陰湿ないじめになって行ったと思うのです。優しくていじめもできない子は自分自身にはけ口を向けていくでしょう。手に負えないような子どもっぽい面も大人は毛嫌いせずに全身で受け止めてあげなくてはいけないと思います。これは難しい年齢の娘から教えられたことです。

いろいろな価値観を認める (nanachin・長野・パートナー有・31歳)

主体的に生きるためには、さまざまな生き方や考え方があることを知ることが大切だと思います。成績がよいことやお金をたくさん稼ぐことが一番いいこと、というように親や社会が植えつけてきたら、子どもがそのほかの考えを持ってもそれは間違っているかも、否定されるかも、と思って意見を言えなくなることがあるかもしれません。こういう生き方もある、こんな考えもある、どれもいいんだよ、という多様な価値観を親や社会が積極的に子どもに見せ、認めることが大事だと思います。

肯定される経験が必要 (きのこのこ・神奈川・パートナー無・37歳)

失敗を恥とする文化がガンだと思います。チャレンジするということが許されず、親は子の意見を無視して無難なレールの上に乗せたがる。子どもは自分の責任でやったことに対して肯定された経験もないから思い切ってチャレンジすることも出来ない。だから生きていることを確認するためにリストカットするのでは？たとえ失敗しても、おおらかに受けとめられる大人がまわりにいれば、そんな子は減るんじゃないかと思います。実際、今の日本は、大人にとっても生きにくい社会だと思います。

自分にもっと自信を (クロ豆・東京・パートナー有・37歳)

主体性な生き方には、まずは自立、自律心が必要だと思います。子どもの時に失敗する自由と、自分は愛されているという安心感と信頼感が大切なのでないでしょうか。私は両親にいろいろなことを挑戦させてもらいました。時には失敗しましたが、自分で責任を取るように見守ってくれました。そういったことの積み重ねが、「私は私でいい」ということと「ひとりでもひとりじゃない」という自信につながったと思います。

現在のゆがんだ家庭の存在 (さいたに・東京パートナー無・)

基本的に健康な人間であれば、誰でも自然に主体的な生き方をするのでは、ないでしょうか。現在、主体的な生き方が出来ない人が多く存在するのは、彼らは育った環境で、主体的に生きることを否定されてきたからだと思います。「親からもらった大事な身体」という言い方もありますが、一方、幼児虐待も社会問題です。日本では性善説のせいか、親の権利が強すぎ子ども人権が低すぎると思います。もっと子どもを大事にしていかないと20、30年後の日本は大変なことになると思います。

4日目の円卓会議の議論は...

「リスカは氷山の一角かもしれない」

我が子がリスカをするという辛い体験をしたことのある親御さんが4人集まったときのこと。当時の子どもを取り巻く環境や自分自身の気持ちについて語ってくださいました。

Aさんは、投稿のnanachinさんとまったく同様な意見を伝えています。「いろいろな価値観を認める」……このことに気づく前、Aさんは「東京で勝ち残り幸福になるためにまずは名門校に入ることと」信じ、我が子を私立小受験させます。幼児教室を掛け持ちし努力しますが不合格。再トライということで中学受験を目指し合格したものの、娘は中2でリスカを覚えました。

彼女は幼稚園から小6の8年間で子ども時代に体験するはずの遊びや学びを得ることが出来ず、偏った成長をしていました。Aさんは「親の私が他の生き方が認められなかったことが、こんなこと（娘のリスカ）になってしまった」と話してくれました。

Bさんは子どもの本音に耳を傾けることをせず自分の理想を子どもに求め続けたと言います。その理想から外れそうになると激しく否定し、やがて娘は離人感に苦しむようになり「リスカをすることでしか自分の存在を確認できない」という状態に陥ってしまいました。

Cさんは失敗の経験や苦しい体験を子どもに与えてはいけないと、子どもより先回りしてそれを排除し続けたそうです。子ども同士のトラブルには全て介入し相手の親を攻撃し、担任や校長を味方につけることを常に考えていたと言います。そしてそのCさんの娘は高校生になっても友人を得ることが出来ず、孤独でした。

子どもの中には親を裏切ることの出来る力のある子もいます。でも全ての子がそうではありません。こんな親がいる！　と先述した母親たちを否定したいのではなく、「なぜこのような状態になるまで誰も声をかけなかったのか」を考えたいのです。

子を持つ親は我が子を幸せにしたいと精一杯、努力しています。それゆえに見えなくなることもあるでしょう。そんななか、学校もご近所も親戚も、そして連れ合い・パートナーですら介入しない。出来ない関係があるのです。リスカは氷山の一角かもしれません。私たちが今出来ることは何なのか。皆さんのご意見を頂きたいと思います。

志村季世恵
バースセラピスト、「こども環境会議」代表


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